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頻尿

頻尿とは

 

頻尿と聞くとどのような状況を思い浮かべるでしょうか。

職場で1時間に1回トイレに行きたくなる、旅行でバスに乗るとトイレが無いので緊張してしまう、電車で目的地に着くまでに何回かトイレのために降りてしまう、尿の回数が多い、

泌尿器科の外来では上記のような悩みをよく聞きます。

このような頻尿は適切な問診と検査による鑑別で治療出来ます。

頻尿には昼間の頻尿と夜間頻尿があります。

夜間頻尿も患者様にとっては非常に大きな悩みですが、後のページで取り上げてますので、ここでは昼間の頻尿について言及します。

昼間の頻尿とは朝起きてから寝るまで、8回以上トイレに行く状態です。8回以下でも本人がよくトイレに行くと感じているのであれば、それも頻尿と呼びます。

排尿の回数は問わず、本人が薬を飲んで治したいと感じているのであれば、それは治療の対象になります。

下記に頻尿の原因とその検査・治療を記します。

前立腺肥大症

前立腺肥大症は男性にのみ起こる病気です。

前立腺は尿道を取り囲んでいるくるみ大の臓器で、前立腺液といって精液の一部を作っています。唯一の役割が精液を作っているということだけです。それ以外は癌になったり肥大になって排尿障害を及ぼしたり、と悪影響しかない臓器です。

前立腺が肥大すると尿道を圧迫します。圧迫された尿道は尿の通り道が狭くなり、排尿の勢いは弱くなります。

それでも膀胱は一生懸命排尿をしようと頑張ります。それによって膀胱の筋肉は疲れていくのです。

疲れた膀胱は神経が過敏となり、そんなに尿が溜まっていなくても排尿をしたいと感じるようになります。こうして頻尿になっていくのです。

検査は血液PSA検査で前立腺がんの否定をします。

そして腹部超音波検査で前立腺肥大の度合いを確認します。

場合によっては排尿日誌を書いてもらい、1回尿量、1日尿量を確認します。

治療はユリーフ、ハルナールといったα1ブロッカーと呼ばれる薬剤をまず使用します。

前立腺肥大のある方ですと、この薬を投与することで排尿障害は確実に改善すると思われます。頻尿まで治る方もおりますが、そんなに多くはないと思います。

わりと多くの場合でα1ブロッカーでは頻尿の改善には効果不十分なためもう一つ薬剤を追加することになります。

抗コリン薬、β3刺激薬と呼ばれる薬剤が頻尿改善に効果があるとされてます。

この2つの種類の薬は、膀胱に働きかけ膀胱が過敏に反応してる状態を抑制します。

ここまで投薬するとたいていの頻尿は治ります。

これでも頻尿が治らない場合は、ザルティアやアボルブといった薬を追加や変更をし、その患者様に1番合う薬を探していきます。

当院では基本的に泌尿器科の薬を3種類以上は出さないようにしてます。それは多くの薬を飲むことで患者様の治療意欲が下がることもあるからです。

過活動膀胱

過活動膀胱とは膀胱の神経が過敏になり、そんなに溜まっていない状態でトイレに行きたくなる状態で、尿意切迫感を伴う病態です。尿意切迫感とは、排尿をしたくて我慢が出来ずに堪えるような状態です。若い方でも一度はこのような状態になったことがある方は多いと思われます。過活動膀胱の方はこのような状態が1日に何回も起こっているのです。間に合わなくて尿漏れを伴う場合もあります。

過活動膀胱の原因は男性の場合は先に述べた通り、前立腺肥大がほとんどです。ここでは女性の過活動膀胱について述べたいと思います。

女性の過活動膀胱の原因は加齢と生活習慣病です。

過活動膀胱は膀胱が以前より溜められなくなって神経が過敏になっていることですが、その原因が膀胱の血流が悪くなっていることからと言われてます。血流が悪くなることで膀胱の機能が低下し、溜められなくなるのです。

血流が悪くなる原因が生活習慣病からくる動脈硬化です。そして高齢になるほど末梢に行く血液の量も減るので加齢もその原因となります。

過活動膀胱の診断・検査にはまず腹部超音波検査を行います。これは他に何も病気が無いことを確認するためです。何故なら膀胱がんや膀胱結石や尿管結石があっても膀胱刺激症状を引き起こし、尿の回数が多くなるからです。

治療には行動療法と薬物療法があります。

行動療法は膀胱訓練と骨盤を締める骨盤底筋体操があります。膀胱訓練はトイレに行きたくなっても少し我慢してからトイレに行って排尿するということをします。それによって膀胱の容量が増えるのです。後者の体操は、肛門の筋肉をギュッと締めるような体操です。肛門の筋肉と尿道の筋肉は繋がっており、その体操をすることで尿道の筋肉も締まります。それによって過活動膀胱が解消することがあると言われてます。この体操は腹圧性尿失禁(女性がクシャミをしたときに尿が漏れる状態)にも効くと言われているので、女性には効果的です。

お薬による治療は先に述べた、抗コリン薬とβ3刺激薬が現在多く使われてます。基本的には女性の頻尿には1種類の薬しか使用しませんが、どうしても1種類で改善しない場合は、その2つの薬を併用することもあります。

この2つの薬には口が渇いたり、便が出にくくなったりといった副作用も出ることがあり、その際は患者様の症状と相談しつつ合う薬を探していきます。

 

頻尿の原因としては上記のように男性は前立腺肥大、女性は過活動膀胱が主体です。この2つ病気はクスリを飲むことでだいぶ改善します。ですが、外来に尿の回数が多いといらっしゃった場合、決めつけないでその裏に似たような症状を起こす重大な病気が隠れていないかのチェックが必要です。

否定しなければいけない病気は、前立腺がん、膀胱がん、尿管結石、膀胱結石、膀胱炎、などです。

当院では腹部超音波検査、軟性膀胱鏡を行える環境があり、泌尿器科専門医による頻尿の疾患の鑑別が可能です。

尿の回数が多くてお悩みの方は一度当院泌尿器科外来までお越しください。

この記事を執筆した人
伊勢呂哲也
伊勢呂哲也

日本泌尿器科学会認定・泌尿器科専門医
名古屋大学出身
年間30000人以上の泌尿器科と消化器科の外来診察を行う
YouTubeでわかりやすい病気の解説も行なっている。

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