薬に頼らず血糖値を下げる!食べ物&飲み物ランキング
はじめに
糖尿病は、日本で患者数が1,000万人を超える「国民病」とも呼ばれる疾患です。血糖値が慢性的に高い状態が続くことで、腎症・網膜症・神経障害といった三大合併症のほか、心筋梗塞や脳梗塞など命に関わる病気を引き起こすリスクが高まります。
患者さんにとっては、毎日の生活も簡単ではありません。毎食ごとに糖質の量を気にかけ、食後の血糖値スパイクを避ける工夫をし、さらに定期的な運動や体重管理を続けなければなりません。薬やインスリン注射を日常的に使用している方も多く、生活の質が制限されることもあります。
しかし、必ずしも薬だけに頼る必要はありません。近年、食事や生活習慣の工夫、さらには再生医療によっても糖尿病の改善が可能であることが分かってきています。そこで今回は「血糖値を下げる食べ物・飲み物ランキング」と、当院でも行っている自己脂肪由来幹細胞治療についてご紹介させていただきます。

「血糖値を下げる食品」第10位 ブルーベリー
ブルーベリーに含まれるアントシアニンは、ポリフェノールの一種で血糖値改善に寄与することが知られています。イギリスの大規模研究では、ブルーベリーを定期的に摂取する人は糖尿病発症リスクが33%低いと報告されています。
冷凍ブルーベリーはコンビニでも手軽に購入でき、おやつや朝食のヨーグルトに加えるなど、実践しやすい点も魅力ですね。
✏️プチ情報:アントシアニンは眼精疲労の改善や糖尿病性網膜症予防にも効果が期待されます。甘みが欲しいときは「ラカント」など血糖に影響しにくい甘味料を少量使うと良いでしょう。
「血糖値を下げる食品」第9位 リンゴ酢
リンゴ酢に含まれる酢酸(サクサン)は糖の吸収を遅らせ、食後血糖値を下げる作用があります。食前に小さじ1杯を水や炭酸水で薄めて摂取するのがおすすめです。
ただし、過剰摂取は歯のエナメル質を溶かす原因となるため、飲用後はうがいをすると安心です。逆流性食道炎のある方は症状悪化の恐れがあるため注意が必要です。
✏️プチ情報:リンゴ酢は腸内環境を整える働きもあり、便秘改善やアンチエイジング効果も期待できます。サラダのドレッシングとしてオリーブオイルと合わせて利用すると手軽に摂取できますね。
「血糖値を下げる食品」第8位 クワの葉茶
桑の葉に含まれる「デオキシノジリマイシン(DNJ)」が小腸での糖吸収を抑え、食後血糖値の急上昇を防ぎます。国内でもヤクルトなどの大手メーカーが研究を進めており、論文レベルで効果が確認されている信頼度の高い食品です。
普段の水分補給を置き換えるだけで取り入れやすく、日常的に続けやすいのが利点です。
✏️プチ情報:桑の葉茶は便秘改善にも有効で、腸内環境を整える効果が期待されます。甘い飲料の代わりに習慣化すると血糖コントロールの強い味方になります。
「血糖値を下げる食品」第7位 ハイカカオチョコレート
カカオ70%以上のチョコレートは、カカオポリフェノールが豊富で抗酸化作用を発揮し、血糖の変動を緩やかにします。ポテトチップスやミルクチョコレートよりも間食として安心して選んでいただけます。
✏️プチ情報:カカオに含まれるテオブロミンにはリラックス効果があり、ストレスによる過食を抑える効果も期待できます。食後に少量をコーヒーと一緒に楽しむと満足感が得られやすくなります。
「血糖値を下げる食品」第6位 トマトジュース
トマトに含まれるリコピンや食物繊維には血糖値上昇を抑える効果があり、無塩・無添加のトマトジュースを1日1本取り入れることで糖尿病の発症リスクが低下したという国内研究もあります。
◾️ 無添加トマトジュースを1年間飲用した群では、平均で HbA1c が約1.3%改善
◾️朝食前に200 gのトマトジュースを飲むことで、食後血糖の上昇が有意に抑えられた
果汁ジュースは糖分が多く血糖を上げやすいのに対し、トマトジュースは例外的に良い結果を示す点が特徴です。
✏️プチ情報:リコピンは油と一緒に摂ると吸収が高まります。朝食時にオリーブオイルを数滴加えて飲むとより効果的です。
「血糖値を下げる食品」第5位 舞茸
舞茸には「MDフラクション」「MXフラクション」という特有成分が含まれ、インスリン分泌を助け、血糖値の急上昇を抑制します。ビタミンDも豊富で筋肉量の維持を助け、糖代謝の改善につながります。
✏️プチ情報:舞茸は冷凍保存しても栄養価が落ちにくいため、常備して汁物や炒め物に取り入れると手軽に続けられます。
「血糖値を下げる食品」第4位 コーヒー
コーヒーのクロロゲン酸は糖の吸収を緩やかにし、抗酸化作用によって血糖値の安定化に繋がります。1日3〜4杯のコーヒーを飲む人は2型糖尿病の発症リスクが低下するという報告もあります。
◾️1日3〜4杯のコーヒー摂取で、2型糖尿病の発症リスクが 最大36%低下
なお、6杯以上など過剰に飲んでも効果は頭打ちになる傾向があり、健康効果が得られる「最適量」は 3〜4杯程度 と考えられています。
✏️プチ情報:ブラックが苦手な方は、食物繊維の「イヌリン」を加えるとほんのり甘味がつき、血糖コントロールにも役立ちます。
「血糖値を下げる食品」第3位 イヌリン
イヌリンは可溶性食物繊維で、糖の吸収を遅らせるとともに腸内環境を整えます。ゴボウやチコリ、キクイモなどに多く含まれており、最近では摂取しやすいパウダー状になって販売されているのも見かけるようになりました。日本人は食物繊維が不足しているため、コーヒーやプロテインに混ぜて摂るのが効果的です。
✏️プチ情報:イヌリンは腸内で善玉菌のエサとなり、プレバイオティクスとして機能します。便秘改善やインスリン抵抗性の改善に直結するため、特に糖尿病患者さんには積極的に取り入れてほしい成分です。
「血糖値を下げる食品」第2位 納豆
納豆は大豆由来の植物性タンパク質と納豆菌の働きで、血糖コントロールや腸内環境改善に有効です。タレを控えてリンゴ酢を混ぜる「酢納豆」にすると、血糖抑制効果と減塩効果の相乗作用が期待できます。
✏️プチ情報:納豆に含まれるビタミンK2は骨粗鬆症の予防にも寄与します。糖尿病患者さんは骨折リスクも高いため、骨の健康維持にも役立つ一品です。
「血糖値を下げる食品」第1位 食べる順番
「野菜→タンパク質→炭水化物」という順番で食べると、血糖値の上昇を抑制できることが臨床試験でも確認されています。野菜がない場合は「ミートファースト」でも効果があります。
「何を食べるか」も大切ですが、「どのように食べるのか」もとても大切なポイントです。
特別な食品を用意しなくても、毎日の食事で取り入れられる最も実践的な方法です。
✏️プチ情報:野菜やたんぱく質を先に食べると、糖質の吸収がゆるやかになり、GLP-1(インスリン分泌を促し食欲を抑えるホルモン) の分泌が高まると考えられています。その結果、食後血糖値の安定化だけでなく、自然に食欲を抑えやすくなるというメリットも得られます。
自己脂肪由来幹細胞治療と糖尿病
大宮エヴァグリーンクリニックでは、自己脂肪由来幹細胞治療を行っています。ご自身の脂肪から採取した幹細胞を培養して増やし、点滴で体内に戻すことで炎症を抑え、血管や組織の再生や修復を促す効果が期待されます。特に糖尿病においては、膵臓のβ細胞の再生・修復を助け、インスリン分泌を改善する可能性があります。
【国内での実際の効果例】
日本国内のクリニックで行われた報告では、自己脂肪由来幹細胞治療を受けた2型糖尿病患者様のHbA1cが平均で1.5〜2%低下し、インスリン注射量を減らせた例が報告されています。中にはHbA1cが8%台から6%台に改善し、薬の減量に成功した症例もありました。
海外の臨床試験でも、投与後6か月以内に空腹時血糖値やインスリン分泌能の改善が見られたとされています。
薬やインスリンに頼るだけではなく、体の持つ「再生力」そのものを活かして糖尿病を改善していく。これが、再生医療の最大の魅力です。
終わりに
糖尿病の改善は「難しい」「一生薬が必要」と考えがちですが、実際には食生活の工夫や再生医療を組み合わせることで、大きな改善が期待できます。
ブルーベリーや納豆、トマトジュースなど、身近にある食品を活用することは誰でも今日から始められますので、ぜひお試し下さい。
そして、大宮エヴァグリーンクリニックでも行っている自己脂肪由来幹細胞治療は、膵臓のβ細胞を再生させ、血糖値改善を根本から目指せる治療法となっております。
「毎日の工夫 × 最先端医療」で、糖尿病に負けない未来を一緒に築いていきましょう。
日本泌尿器科学会認定・泌尿器科専門医
名古屋大学出身
年間30000人以上の外来診察を行なう。
YouTubeでわかりやすい病気の解説も行なっている。
再生医療専門クリニックも運営
