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妊娠中の尿路結石について(妊娠と尿路結石の関係)

[2020.05.06]

みなさま、こんにちは。ゴールデンウイークが終わりました。
自粛生活が続いておりますがいかがお過ごしでしょうか。

私は以前宣言した通り、このゴールデンウイークと自粛期間中は仕事以外、論文と本を読むと決めておりました。
今回は専門でもある泌尿器科の分野で気になる論文を見つけましたので、ここでなるべくわかりやすくまとめて解説して行きたいと思います。

今回の論文はJournal of Urologyという泌尿器科の中では最も権威の高い雑誌に2020年5月号に掲載されました。アメリカのスタンフォード大学から出された研究で、妊娠中の尿路結石についてです。
尿路結石は泌尿器科の中では非常にメジャーな病気です。痛みの王様とも言われ、尿管結石の痛みを発症した患者様は救急車で来院される方が非常に多いです。
妊娠中にそんな尿管結石があるかもしれないとなると妊婦さんは非常に不安ですよね。
その妊娠と尿路結石の関係について本日は解説していきたいと思います。

以前尿路結石について記載したページはこちらです。

◆目次◆

1 妊娠中の尿路結石について
 1.1 妊娠中に尿路結石にかかるとどうなるか
 1.2 どれくらいの妊婦さんが尿路結石になるのか
 1.3 妊婦さんが尿路結石になりやすいのはどうして?
2 妊娠中に尿路結石にかかったら
 2.1 まず泌尿器科を受診しましょう
 2.2 どんな検査をするのか
 2.3 もし妊娠中に尿路結石と診断されたら
3 今後の動き

妊娠中の尿路結石について

妊娠中に尿路結石にかかるとどうなるか

妊娠中に尿路結石を患うとどうなってしまうのでしょうか。当クリニックにもそのような患者様はいらっしゃいます。妊娠をして体調面でも不安定な時期に尿路結石のような病気にかかるのは体力的にも精神的にも非常に不安定になってしまいます。どのような不安かというと、いつ痛みが出るのかという不安が一番強いようです。
もし痛みの発作が出た際の痛み止めも胎児への影響を考えると安易に使用することはできません。

どれくらいの妊婦さんが尿路結石になるのか

アメリカのスタンフォード大学の研究によると2003年から2019年の集計で、1000人の妊婦さんがいたら8人が尿路結石を発症していたことがわかりました。これは0.8%に当たります。普通の方の尿路結石の年間発症率が0.1%程なので約8倍妊婦さんの方が発症しやすいことがわかります。
そして尿路結石を発症した妊婦さんは流産や未熟児出産の率が高くなるというデータがこの論文では示されております。

妊婦さんが尿路結石になりやすいのはどうして?

尿路結石は一般的に生活習慣病の1つだと言われております。高血圧や脂質異常症、糖尿病をお持ちの方は尿路結石を発症しやすいと言われております。

今回尿路結石を発症した妊婦さん達は同時に高血圧、肥満、痛風、糖尿病などの病気のいずれかを発症している方が多かったようです。
妊娠は身体に負荷がかかるため、そのような生活習慣病の素因を持つ方は生活習慣病を発症しやすいと言われております。
つまり、妊娠前には生活習慣病を持っていなくても生活習慣病予備軍のような方が妊娠を契機に生活習慣病となり、同時に尿路結石を発症してしまう場合があるということですね。

妊娠中に尿路結石にかかったら

まず泌尿器科を受診しましょう

尿路結石の兆候としては、血尿や左右どちらかの腰痛です。産婦人科の定期受診の際にも不安な症状があれば相談することをお勧めします。

どんな検査をするのか

泌尿器科では胎児に負担のない尿検査、腹部超音波検査を行います。
尿検査で尿潜血(尿に血が混じっていないか)の有無を確認し、超音波検査で腎臓、尿管内に結石がないかを確認します。
必要に応じて患者様に取ってメリットが大きいと考えた場合は、患者様と相談してレントゲン検査を行う場合もあります。
(レントゲン検査は被曝量も少なく胎児への影響はほとんどありません。)

もし妊娠中に尿路結石と診断されたら

妊娠中の尿路結石は、スタンフォード大学の研究では5人に1人が外科的な治療が必要だったということです。感染を伴ったり疼痛が強い場合には外科的な治療が必要になります。
また、尿路結石に対しての治療には薬剤を使用するため胎児への影響も出てくる可能性があります。
泌尿器科医師に相談してベストな選択肢を選びましょう。極力妊娠中は胎児に負担をかけない方法を考えて治療計画を立てます。
妊娠中は治療せずに妊娠後に対処するという選択肢もあります。

今後の動き

妊娠中の尿路結石患者様を効率的に発見しフォローする体制を作っていきましょう。これには泌尿器科と産婦人科が連携を取ってすすめていく必要があります。

現在新型コロナウイルスの影響で安心して妊娠に集中することが出来ていない状況にあります。胎児への影響もはっきりしておりません。
今後少しでも妊婦さんが安心して出産できるような社会になるために泌尿器科専門医として微力ではありますが貢献していきたいと考えております。
当院では徹底した新型コロナウイルス感染対策をしながら診療を継続しております。

またオンライン診療も行っております。全国どこからでもオンライン診療は可能です。泌尿器科、消化器科、内科でお悩みの方は是非上記のリンクか下部のバナーよりご相談下さい。

今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

執筆 泌尿器科専門医 伊勢呂哲也

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