医療安全のためのチーム強化 院内勉強会
こんにちは。日に日に暑さが増してきますね。引き続き熱中症対策をしてきたる8月を乗り切りましょう。今年は例年にも増して猛暑のようですね。
さて、先日当院のスタッフとして働きたいという応募がホームページのEmailよりありました。その動機としてこのコラムを見て是非大宮エヴァグリーンクリニックで働きたいと思ったとのことでした。このコラムはコメント機能を設けていないため、皆さんからどう思われているか、反応がわからないまま書いています。普段お会いする方からはわかりやすくて良いという感想をちょこちょこと頂いてはおりますが、ホームページから当院をはじめて知っていただいた方の感想がこのスタッフへの応募だったので非常に感動しました。そして、僕のコラムを見て働きたいとおっしゃってくれているということは、きっと当院に馴染んでくれるのではないかと思います。皆さんに役立つコラムを引き続き書いていこうと元気をいただきました。
今回の内容は先週の昼休みに当院で行われた院内勉強会の内容です。テーマは医療安全についてでした。外部から講師の先生に来ていただきお話をしていただきました。安心安全の医療を提供していくにはチームワークが欠かせないです、というお話です。以下に概略を書きます。
医療事故について
米国でのお話ですが、皆さんは米国で1年間に何件くらいの医療事故からの死亡が発生していると思いますか? 100人、1000人、1万人、10万人、どれくらいだと思われますか?
推計ですが、25万人の方が医療事故により亡くなっているデータがあります。医療事故による死亡は心疾患、がんに続いて死亡原因の3位になるようです。恐ろしいですよね。
それではなぜ事故は起きるのでしょうか。一番大きい事故原因は?下の4つのうちでどれだと思いますか?
1過労睡眠不足
2環境設備医療機器の問題
3コミュニケーションエラー
4技術不足、知識不足
正解は3番のコミュニケーションエラーです。
医療事故の7割がコミュニケーションエラーに関与しており、最大の原因とされてます。コミュニケーションエラーはチームワークの悪さから生まれます。安全安心の医療を提供するためには良いチームワークが不可欠です。
この後、講師の方よりコミュニケーションがうまく伝わらない例を紹介していただき、改善の仕方を教えていただきました。
例を挙げると、医師と看護師の注射薬の投与量での会話で、1ミリと伝えても、捉える側は1ml、1mgとあり、それぞれで結果の投与量は全く違います。それによって正しい量とはかけ離れた量になり、薬によっては致命的になる可能性もあります。
また、名前の間違えもあります。佐藤さんと斉藤さんのように、偶然ながらに似たような名前、同じ名前が同じ病棟内に偶然いることがあり、片方の患者様には適切な薬でも他方の患者様には毒になる可能性があります。
医療ミスを防ぐために
上記の例のような医療ミスを防ぐために、必要なことは、
1口頭指示をしない
⇨しっかり文章に残して後で確認できるようにする。
2医療者間でしっかり確認する。
⇨忙しい医師にはなかなか言いづらい場合もありますが、間違いを防ぐために確認は必ずしなければいけません。その1回の確認の怠りが患者様の命に関わるからです。
3医療者、患者様間でもしっかり確認する
⇨名前、服用している薬、これから行う治療について等、全てにおいて必ず確認が必要です。しつこいと思われるくらい確認し、間違いをなくしましょう。
4良いチームワークを作る。
お互いに確認しやすい、良い雰囲気をチームに作ることが大事です。
上記のような内容でした。
スタッフもなかなか普段勉強出来ないような内容を知れてかなり満足そうでした。今後も日々声かけや確認を心がけてより良いチームを作るよう努力していきます。
消化器科・胃腸科・泌尿器科・内科・人間ドック
大宮エヴァグリーンクリニック 院長 伊勢呂哲也