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新型コロナウイルスの治療薬について

[2020.05.03]

こんにちは。

緊急事態宣言の中のゴールデンウィークとなりましたが皆さまいかがお過ごしでしょうか。

私はこの連休中は本と論文を読む時間に当てようと思います。

そしてこのコラムに書けそうな内容があればここで紹介していきます。

我々、大宮エヴァグリーンクリニックの専門は泌尿器科と消化器胃腸科なのですが、最近はやはりコロナ関連の話題に皆さん注目されているため、コロナについても書きたいと思います。

前回は新型コロナの重症化と血栓症についてについて書かせて頂きました。

反響がとてもとても大きく、テレビ朝日やTBSなどのTV局からも質問があり、テレビでも取り上げて頂きました。その時のこともまた後日書こうと思います。これからも皆さんが興味を持ちそうなことについてコラムで書かせて頂きます。

さて、今回は新型コロナウイルスの治療薬の現状についてです。

いろんな情報がメディアやネットで飛び交っております。個人的な意見や質問や誤った情報も多数見られます。皆さん非常に気になるところだと思います。

ここでは20205月4日現在の最新の論文から得られた新型コロナウイルスの治療薬の現状を述べたいと思います。

治療薬の種類

現在治療薬として候補が上がっているのが、ヒドロキシクロロキン、レムデジビル、アビガン、イベルメクチンが有名なところです。

そのそれぞれについて説明していきます。

1.ヒドロキシクロロキン

ヒドロキシクロロキンはマラリアに対する薬であり、マラリアの治療やマラリアの予防のために用いられています。そのほかにも、全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチの治療にも使われています。

ヒドロキシクロロキンの現状

2020330日にセントピーターズ大学病院の研究で新型コロナウイルスに対して有効であるというデータが出ましたが、429日にマサチューセッツ大学病院からの研究でヒドロキシクロロキンは試験管内の細胞レベルでも人に対してでも有効性が示されないことがわかりました。

また、51日 JAMAという権威ある米国医師会雑誌からマサチューセッツ大学の研究でヒドロキシクロロキンを使用した患者様の心電図でQT延長が有意に認められると発表されました。

心電図でのQT延長とは失神や突然死の原因となると言われています。

これらのことからしてもヒドロキシクロロキンは新型コロナウイルスに対しての有効性が示されるのは難しいのではないかと思われます。

2.レムデシビル

レムデシビルはエボラ出血熱の治療に有効とされているお薬です。現時点では使われてはおりません。

レムデシビルも新型コロナウイルスに有効ではないかと注目を浴びています。

レムデシビルの現状

2020423日にドイツのケルン大学病院から出された論文にレムデシビルが新型コロナウイルスに有効であったというデータも出ています。他にも様々な研究で有効だというデータは示されていますが、それらの研究がランダム化比較試験(患者様をランダムに使う群と使わない群に振り分け検証する)ではないため確実に有効であるというデータは出ておりません。これからのデータが待たれます。また、5月4日首相会見にて米国で承認されたレムデシビルを国内で使用出来るようにしたいとの意見が出ました。今後の動向に期待しましょう。

3.イベルメクチン

イベルメクチンとは寄生虫に対する薬です。

イベルメクチンの現状

細胞培養レベルでは試験管内で新型コロナウイルスをやっつけることに成功しています。だが、まだ研究の初期段階であり、FDA(アメリカ食品医薬品局)はこれをまだ人で使用することはダメだと警告していますが、もうすでに使用しているところがあるり有効性は出ているようです。

4.アビガン

アビガン(一般名ファビピラビル)とは、日本の富士フィルム社で開発された抗インフルエンザ薬です。著名人が新型コロナウイルスで入院した際に有効性があったとコメントして話題になりました。

アビガンの現状

20203月の時点で中国の中南大学で試験管内で有効であるというデータが出ております。

そして、深圳市第三人民医院で人に使用して有効であったというデータも出ているが、これもランダム化比較試験ではないため、まだ現時点でははっきりと有効であるといえません。ただ、こちらのアビガンも5月4日の首相の会見にて5月中の国内での使用の承認を目指すとのことでした。まだはっきり有効であるとのデータは出ておりませんが、この非常事態に副作用のデメリットを考えても使用した方がメリットが高いと判断したのでしょう。アビガンの効果に期待したいです。

まとめ

ヒドロキシクロロキンは副作用もあり有効性も今ひとつといったところでしょうか。

イベルメクチン、レムデシビル、アビガンは有効であるというデータは出ていますが、その全てがランダム化比較試験ではないため、絶対有効であるとまだ断定は出来ません。これからの研究に期待しましょう。

当院は泌尿器科、消化器科、人間ドックの専門医がいるクリニックです。
新型コロナウイルス感染を疑われる方のPCR検査や抗血栓薬の投薬は行っておりません。

現在当院では徹底した新型コロナウイルス感染対策をしながら診療を継続しております。

またオンライン診療も行っております。
全国どこからでもオンライン診療は可能です。泌尿器科、消化器科、内科でお悩みの方は是非上記のリンクか下部のバナーよりご相談下さい。

今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

消化器科(胃カメラ)・泌尿器科・内科・人間ドック
大宮エヴァグリーンクリニック 院長 伊勢呂哲也

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