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熱中症について

[2019.07.14]

こんにちは。大宮エヴァグリーンクリニックの院長 伊勢呂です。7月もそろそろ半分が過ぎようとしています。暑くなったり涼しくなったりとなかなか気候が安定せずに体調を崩している方も多いのではないでしょうか?

以前の記事でも書きましたが、寒暖差変化で体調を崩される方は多いです。気候の変化による体調不良を疑った場合は身体を温めることが大切です。積極的にお風呂に入ることや、適度な運動をすること、首元や腰を暖めることが良いと言われてます。詳しくは寒暖差疲労についてのページもご覧ください。

さて、昨日大宮西口のカード会社にて、産業医活動を行なってきました。今回は先方からのリクエストである熱中症についての講話をさせていただきました。これからの時期に適した話題かと思います。下記に要約を記させて頂きます。

 

熱中症とは

熱中症と聞くとご高齢の方が夏場に倒れてしまったり、運動してる方が救急車で運ばれたりと怖いイメージがあると思います。その全てが熱中症と呼ぶことが出来ます。熱中症とは気温が高いことにより身体に起こる変化の総称であり、様々な症状があります。このような症状が、見られたら要注意であるという内容を記し、その症状を解説していこうと思います。

 

1体温が高い、皮膚が熱い

炎天下の中で体温が高くなり皮膚が熱くなっている方がいたら要注意です。

人間の体温調整には2つの方法があり、熱を取り込む方向と熱を放散する方向があります。その2つをうまく調整することで体温調整を行なってます。炎天下の中では熱を取り込むことはせざるを得ない環境にあると思います。逆に体温を下げるために、人は汗をかいて気化熱を奪われることで熱を放散に体温を下げます。

しかし炎天下の中で水分摂取を怠っていると脱水状態になりますよね。そうなると汗がかけなくなってくるわけです。そして熱を放散することが出来なくなります。

体温が高いことも身体にとって有害ですが、それは極度の脱水であることも意味してるのです。なので皮膚が熱い、体温が高い方を見かけた場合はすぐに医療機関を受診させる必要があります。

 

2めまい、失神

炎天下の中で気を失ったりふらついたりする人をよくお見かけしませんか?  これも先程の熱の放出と関係してるのです。

外気温が高くなると、体温もつられて上昇する傾向にあります。その際に先程は汗をかくことで気化熱を奪われ、体温を下げると言いました。別の方法として皮膚表面の血管を拡張するという手もあります。そうすることで、皮膚の体温を放散させることが出来るのです。

しかし、そうすることで末端に血液が拡散し、中心の脳や心臓に本来あるべき血液が減ってしまいます。一時的に血流が足りなくなった脳はめまいや失神を引き起こすのです。

そのような症状が起きた方はすぐに医療機関を受診する必要があります。

3筋肉のけいれん

炎天下の中で運動をしている際に筋肉のけいれんを起こしている方を見ませんか?  僕も学生時代にはテニスをやっていましたが、夏の大会ではたくさんの選手が痙攣を起こしていました。

炎天下でスポーツをすると汗をかきますよね。汗をかくことで水分と一緒に塩分も失われます。そうすると血液中の塩分濃度が下がります。塩とはナトリウムが含まれてます。筋肉が正常に働くためには適切なナトリウム濃度が必要なのです。なので、ナトリウム濃度が低くなった状況下では普通の筋肉の運動でない、連続に刺激されたようなけいれんが起きるのです。けいれんの程度にもよりますが、処置としてはまず水分補給と塩分摂取です。重度の場合は医療機関の受診が必要です。 

 

4喉の異常な渇き、喉が渇かない

初期症状として、喉の渇きがありますが、水分が消失していくとその渇きが強くなります。また、体温が上昇することで、渇きを感じる器官が異常をきたし、喉が渇いたと感じなることもあります。

 

熱中症の予防

1喉が渇いてなくても前もって水分補給、塩分補給をする

喉が渇いたと感じる時には手遅れなことも多々あります。炎天下で何か作業、運動する際には小まめな水分、塩分補給を心がけましょう。

2体力をつける

熱中症になりやすい環境にいても、健康な身体の方とそうでない方とでは熱中症のなりやすさが違います。普段から適度な運動と良質な睡眠を取るように心がけましょう。

 

上記のような内容をお話しました。毎年みなさん熱中症の話を聞いてるようでしたのですでにかなり詳しかったですが、大切な話なのでしっかりと聞いてくださいました。

私の研修医時代のとき、救急外来に運ばれてきたマラソン大会に出場した17歳の青年がおりました。マラソン中に倒れ病院に運ばれて、そのまま1週間の入院の末多臓器不全で亡くなられました。非常に印象深い事件でした。きっと大会なので我慢して辛い、しんどいと言えなかったのだと思います。

みなさんもしっかりと熱中症の知識をもってこの夏を乗り切って欲しいと思います。

消化器科・内科・泌尿器科・人間ドック

大宮エヴァグリーンクリニック 院長 伊勢呂哲也

 

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