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院内勉強会 慢性便秘症

[2019.06.16]

6月14日に院内検査室にて慢性便秘症の勉強会を開きました。

製薬会社の方に来ていただき説明してもらいました。

以下要約です。

 

便秘症とは

 

現代の日本では慢性便秘症に悩む患者様が非常に多いです。

約400万人の方が慢性便秘症を抱えていると言われてます。

若いうちは女性の方が圧倒的に多いですが、加齢とともに男性の比率が増えてきて、70代になると逆転し男性の方が多くなります。

 

排便回数が1週間に0-3回しかない状態を便秘と言います。

腸の蠕動が悪かったり、腸内に水分が十分にないと起こります。その状態を引き起こす原因としては、運動不足や偏った食習慣などが言われてます。

 

腸内フローラ、腸内環境のお話

話は脱線しますが、便秘の原因に腸内フローラというお話もあります。

腸内には何兆個もの細菌が生息しており、それがお花畑のように群をなしているように見えることから腸内フローラと呼ばれてます。

菌には善玉菌と悪玉菌菌と日和見菌があります。

善玉菌の代表例はビフィズス菌や乳酸菌です。

悪玉菌の代表例は大腸菌です。

ちなみに大腸菌は膀胱炎や腸炎の原因菌として有名ですよね。

乳酸菌が腸炎や膀胱炎を起こすとは聞いたことありませんね。

 

善玉菌と悪玉菌のバランスで腸内環境が変わります。

悪玉菌の比率が増えると下痢や便秘のどちらかに傾きます。

善玉菌が増えると便の性状も適性な状態になると言われてます。

善玉菌を増やすにはヨーグルトやキムチ、納豆などの発酵食品を食べたり、食物繊維を摂取したり適度な運動などが大切です。

便秘や下痢で悩んでる患者様には、自分の下痢や便秘は昔からこうだから、もう一生このままだろう、と考えている方もおります。ちょっとした食習慣を変えるだけで驚く程便の性状は変わります。

便秘解消の一環として腸内環境の改善を心がけましょう。

 

脱線した話を戻します。

 

慢性便秘症のお薬 

便秘薬の代表例としては、酸化マグネシウムがクラシックなお薬として使われてます。

酸化マグネシウムは腸内に水を誘導することで、便を軟らかくし排便を促すお薬です。

安価で効き目も十分にあることから、多くの便秘症の患者様に使われてきました。

しかし、近年その副作用に注目されてきました。

もともと言われていたのは、下痢です。

これは水を腸内に誘導しすぎてしまった結果起こります。

近年言われ始めてきたのは高マグネシウム血症です。

マグネシウムを摂取するので、血中のマグネシウムの数値が高くなるのは当然のことです。

高マグネシウム血症は、筋力低下や吐き気、徐脈、心停止なども起こる重篤な副作用です。

マグネシウムは腎臓から排出されるため、腎機能が悪い患者様には注意が必要です。

近年腎機能が低下している高齢者の方が増えてますので、酸化マグネシウムの使用をためらう医師も出てきました。

 

先日の勉強会は、新しい便秘薬エロビキシバットというお薬の説明をしていただきました。

エロビキシバットは回腸末端で胆汁酸(肝臓で作られて腸内に排泄される)が吸収されるのですが、それを阻害します。

そうすることで胆汁酸が吸収されずに大腸の中に大量に入ります。胆汁酸は大腸内に水分を分泌させるのと同時に大腸の運動を亢進させるので、自然な排便が促されるのです。

便秘の患者様には1種類のお薬だけでは効かず、何種類ものお薬を服用してる方もいます。

きっとエロビキシバットは400万人の便秘で悩む方の助け舟となることでしょう。

 

と、勉強会意外の話も交えて脱線してしまいましたが、上記のような内容でした。

便秘でお悩みの方は消化器・泌尿器・健診の大宮エヴァグリーンクリニックにお越しください。

 

院長  伊勢呂哲也

 

 

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