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院内勉強会 高尿酸血症

[2019.07.05]

高尿酸血症と聞いて何を思い浮かべるでしょうか。この言葉だけを聞いてどんな病気か想像できる人はなかなかいないのではないかと思います。高尿酸血症とは、その言葉の通り血液の中にたくさん尿酸が溶けている状態です。尿酸が大量に血液中にあることで、痛風や腎臓機能の低下に繋がるのです。痛風と聞くと想像は出来ますよね。美味しいものをたくさん食べたおじさんが足を痛がる姿が想像出来ると思います。近年、痛風の患者様は80万人を超え、800万人以上の方が高尿酸血症と言われております。うちのクリニックにも痛風の発作が起きてから尿酸値を下げるために通院してる方はたくさんいらっしゃいます。

 

さて先日、この高尿酸血症についての勉強会を院内で開きました。そこでの内容の要約をここに書きたいと思います。

高尿酸血症になると

尿酸は肉やお酒や魚の卵など、プリン体が分解される際に生じます。先述の通り、尿酸が血液中に大量に溶けていると溶けきれなくなって関節に尿酸の結晶がくっつきます。その結節が剥がれる時に激しい炎症が起き痛みになって現れます。それが痛風発作と呼ばれます。痛風発作の時は尿酸値を下げるお薬は炎症を悪化させるため、飲まない方が良いとされてます。痛みが治まってから内服を開始するのが一般的です。

また尿酸が血液中に大量に溶けていることで、その尿酸が腎臓の血管を障害し、腎臓に充分血液が行き渡らなくなります。そうして腎機能が低下していきます。腎機能が低下すると、最終的には人工透析が必要になります。

この激しい痛みの痛風と、腎機能の低下を予防するために、尿酸の値を低く保つことが必要なのです。

 

尿酸の値を低く保つには

1水を飲む。

汗をかいて脱水になりやすい夏は尿酸が血液中に濃くなり、痛風発作が起きやすいとされてます。また、尿からの尿酸排泄を促すためにたくさん水を飲むことが重要とされてます。

2ダイエットを心がける

肥満は高尿酸血症の危険因子とされてます。ダイエットを、することで尿酸の値が下がると言われてます。肥満は脂質異常症、糖尿病、高血圧などの生活習慣病のリスクにもなりますので、適正な体重になるようにダイエットを心がけましょう。

3野菜や海藻を多くとる

尿が酸性になることで尿酸の結晶が析出し痛風発作が起きやすいとされてます。野菜や海藻などは尿をアルカリ性に傾けます。

 

 4プリン体の少ない食事を摂取する

痛風の方は高カロリーの食事を摂取する傾向にあります。お肉、お魚はプリン体を多く含みます。プリン体を多く含む食品は控えましょう

 

5お酒を控える

先述の通り、アルコールはプリン体が増える原因になります。

6適度な運動をしましょう

ウォーキングやランニングは肥満の解消に繋がります。逆に筋力トレーニングなどの無酸素運動は尿酸値に悪影響を与えらと言われてます。

トピロキソスタットについて

高尿酸血症の治療薬には、尿酸をそもそも作らないように抑制する尿酸生成抑制薬と尿酸を腎臓から排泄するのを促進する薬の2種類あります。

双方ともに血液中の尿酸の濃度を下げるのが目的ですが、方法が違うのです。

後者の腎臓からの排泄を促進する薬は、腎障害を起こす可能性があるため腎機能が悪い患者様には使えません。

そして前者も、従来の薬は腎臓から尿という形で体外に全て出ていたので、腎機能が悪い方には使いにくいお薬でした。

しかし、トピロキソスタットは腎からも排泄されるのですが、便からも排泄されるため、ある程度腎機能が低下した患者様にも使えるのです。先述の通り高尿酸血症の患者様は腎機能低下を起こしやすいので、この薬のおかげで腎機能が低下した患者様にも使いやすくなりました。

 

上記のような内容でした。

痛風という身近な病気にスタッフも興味津々にお話を聞いているようでした。今後もこのような勉強会を定期的に開催していきます。

尿酸値が高いと指摘された方は当院医師までご相談ください。

 

消化器科・内科・泌尿器科・健康診断・人間ドック

大宮エヴァグリーンクリニック 院長 伊勢呂哲也

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