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2次検診について 産業医活動

[2019.07.26]

こんにちは。とうとう本格的な夏が始まりましたね。これからは本格的な暑さ・熱中症対策をしてこの夏を乗り切りましょう。熱中症は一時の油断が命取りとなります。以前のコラムでお話した通り、僕が研修医の時に17歳の健全な若者がマラソンの大会で熱中症からの脱水・多臓器不全で命を落とすのを目の当たりにしました。マラソン大会に出るような健全な男性が命を落とすこともある熱中症、非常に怖いですよね。熱中症予防には日頃から体力を蓄え、水分塩分補給をしっかりすることが大切です。

また健康な状態を保つためには健康診断を受けることも重要です。年に1度の企業健診は会社が受けさせる義務がある健診です。本日のコラムはその健診の何かしらの項目で引っかかり、要精密検査と言われた際に病院・クリニックへ行く2次検診のお話です。

先日、さいたま新都心駅近くの建築会社にて2次検診についてのお話をして欲しいとのことで、産業医活動をしてきました。その内容の概略を下記に記したいと思います。

2次検診とは

2次検診とは、健康診断で見つかった異常に対して、治療が必要な異常か業務に支障がでる異常かそれを見極める検査です。2次検診から治療につながるケースも多々あります。

(健診と検診を使い分けてます。前者は一般的な健康診断という時に使われます。会社の健康診断や市健診などです。後者の検診は、目的がある特定の検査にて対して使われます。がん検診がその良い例です。今回の2次検診も健康診断で見つかった異常に対して特定の検査を行うので検診という漢字を使います。)

その費用の負担は、個人が負担する場合、健康保険組合が負担する場合、企業が負担する場合と様々です。

 2次検診の実態

健康診断は社員全員受けてもらう事にはなったけど、2次検診はなかなか受診してもらえない、、そんな声をよく聞きます。2次検診を受けるようメールで会社から促しても無視されることもあるようです。2次検診に行くべき社員さんを見つけるための健康診断なのですが、肝心の2次検診には行かないのは本末転倒です。

それでは何故2次検診を受けないのでしょうか。

それにはいろんな理由があると思います。

①医学的知識がないため健診結果を見てもよくわからず、深く読もうともしない。

⇨会社、健康保険組合が従業員に健診結果を理解をしてもらえるように啓蒙をすべきである。

②自分が病気にかかった時のその後の状況が想像できない。

⇨自分の周りは元気な社員さんたちであり、みんな元気に働いてます。病気になる事でどれくらいお金、時間、労力がかかるか実感出来ないと思います。早期発見早期治療は非常に大切です。

③定期健康診断の役割、意義を理解していない。

⇨健康診断は病気を早期発見し治療につなげるのが目的であるとともに、従業員が担当する業務に耐えられるかを調べるための検査であり、従業員に健康診断を受けさせるのは経営者の義務であり、自分の健康を管理するのは従業員の義務であります。

2次検診を受けないとどうなるか

•肝機能異常・・・肝臓癌、肝硬変、
•腎機能異常・・・人工透析
•心電図異常・・突然死
•眼底所見異常・・失明
•胸部X線異常・・原発性肺癌、転移性肺癌
•上部消化管造影検査、胃カメラ異常・・・胃がん、食道癌
•高血糖・・糖尿病、人工透析、
•脂質異常症・・動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞
•高血圧・・・心筋梗塞、脳梗塞、
 
上記のような内容でした。最後の2次検診を受けないとどうなるか、はかなり怖がらせてしまいましたが、これは大げさなことではありません。
2次検診に行かないことが非常に危険なことだということを理解していただけたら幸甚です。
 
質問を1つ頂きました。
経過観察Cという判定はどうすれば良いのか?という質問でした。
これは健診者さまの多くが思う疑問だと思います。
 
健診の判定にはA異常なし、B軽度異常、C経過観察、D要精密検査、E要治療、F治療中
とあります。
A異常なし、B軽度異常、は現時点では問題なしというこ解釈で良いです。
D要精密検査、E要治療、F治療中は言葉通りですよね。医療機関を受診して下さいという意味です。
さてC経過観察ですが、これは、現時点ですぐに精密検査や治療をする必要はありませんが、経過を見つつ半年、1年後に再検査を受けるべきであり、また、自覚症状があったり気になることがあれば医療機関を受診して下さい、ということです。経過観察は健診の判定の中で如何様にも解釈出来る判定です。AB側で判断するのではなく、DE側寄りで捉えていた方が自分の健康のためには良いかと思います。
 
当院では各種2次検診を受け付けております。
 
消化器科・胃腸科・内科・泌尿器科・人間ドック
大宮エヴァグリーンクリニック 院長 伊勢呂哲也

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