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新型コロナウイルスワクチンの有効性・副反応・合併症について〜最新の論文から〜

[2020.12.21]

みなさんこんにちは。新型コロナウイルス(COVID-19)の第3波が猛威を奮っており、心配な中生活されている方も多いと思います。ここで以前にもお話ししたことがありますが、新型コロナウイルスワクチンの有効性と副反応について新しい論文が出ましたのでそちらについて解説していこうと思います。

今回の論文は2020年12月10日にニューイングランドジャーナル(The New England Journal of Medicine)に掲載された論文です。ニューイングランドジャーナルは医療の中でかなり権威のある雑誌でここに掲載されるということは非常に信頼性の高い論文であると言えます

◆目次◆

新型コロナウイルスのワクチンの現状
2 新型コロナウイルスワクチンが投与された人の人種、特徴
3新型コロナウイルスワクチンの投与の仕方
4新型コロナウイルスワクチンの有効性について
5新型コロナウイルスワクチンの副反応・合併症について
6新型コロナウイルスワクチンは打つべきなのか

新型コロナウイルスワクチンの現状

イギリス政府が2020年12月17日に発表したものによりますと、12月17日までの1週間に13万7千人余りの人がアメリカの大手製薬会社ファイザーが開発したワクチンを接種しているとのことです。ニュースなどでも報道されていますが、今回の研究で使われたワクチンは今後日本でも使用される予定のmRNAワクチンです。なので今回の結果はかなりの注目をされております。

ちなみに当院では新型コロナウイルスワクチンの提供はしておりません。まだ日本に入ってくる時期やどのような提供方法になるのかも未定となっています。

新型コロナウィルスワクチンが投与された人の人種、特徴

今回のワクチンは2020年7月27日から2020年11月14日までの間に合計44820人が対象とされ、国としてはアルゼンチン・ブラジル・南アフリカ・ドイツ・トルコで接種されております。そしてその中にアジア人も4%程含まれてます。今回の新型コロナウイルス感染は、その症状において人種間でかなりの差があります。ですのでアジア人が含まれている今回の研究は日本人にも非常に参考になると思われる研究です。

44820人の半分が新型コロナウイルスのワクチンの接種を受け、残りの半分の方が生理食塩水の注射を受けました。本人たちはどれを接種されたかはわかっていません。これはプラシーボ効果(プラセボ効果とも言い、本来の効果のある薬ではないのに効果があると思い込むことで実際に変化が現れること)で純正の効果が判断できなくなることを防ぐためです。

純正に効果を示すには生理食塩水というただのお水を使用した人たちが発熱があったとしたらそこの部分を引かなくてはいけません。50%がワクチンを打った方にあり4%が生理食塩水を打った人があったとしたら、4%の人たちはワクチンの成分は無い状態なのに発熱したことになるのでその差を考えなければなりません。その2つに副作用の差がないか、有効性を判断するためにプラシーボで半分の人には生理食塩水を使っています。生理食塩水を投与されても基本的に人の身体は影響を受けません。

使用したワクチンは先述の通り、ファイザー社が開発したmRNAワクチンです。

新型コロナウイルスワクチンの投与の仕方

上腕三頭筋から筋肉注射で接種しました。皆さんがよく知っているインフルエンザ注射などは皮下注射になります。筋肉注射の方が吸収が早いという特徴があります。

今回の新型コロナウイルスワクチンの接種は1回目に少量の投与を行い、日にちを7日前後空けて2回目に標準量を投与する方法を取ってます。

新型コロナウイルスワクチンの有効性について

新型コロナウイルスワクチン投与後1ヶ月以内に新型コロナウイルス感染発症の数はワクチンを接種したグループで8例、生理食塩水を接種したグループで162例となりました。この結果は新型コロナウイルスワクチンの95%の有効性を示しています。何故なら、新型コロナウイルスのワクチンを打った方と、生理食塩水を打った方とで20倍もの感染者の違いが生まれたからです。

以前にもコラムで書きましたが、スウェーデンのカロリンスカ研究所での研究で、この新型コロナウイルスのmRNAワクチンを使用するとコロナの中和抗体が効率よく生成されるのと同時に、T細胞を刺激して免疫を活性化させるということが言われています。この事実も今回発表された新型コロナウイルスワクチンの有効性を裏付けていると言えるでしょう。

新型コロナウイルスワクチンの副反応、合併症について

副反応として主にみられたのが発熱、倦怠感、頭痛、筋肉痛です。注射を打った部位への痛みもみられました。以下の表をご覧ください。

  ワクチン接種グループ 生理食塩水接種グループ
発熱 13% 0%
倦怠感 54% 20%
頭痛 45% 19%
筋肉痛 33% 6%
注射接種部位の痛み 72% 10%

この表にあるように発熱や倦怠感、頭痛や筋肉痛は1週間以内にみられていますが、全て重篤には至らなかったようです。この研究では、新型コロナウイルスワクチンまたは生理食塩水を接種したことによる死亡は全くないと判断しています。

新型コロナウイルスワクチンは打つべきなのか

注意として、ここでは若い青年や子供や妊婦などには実験をしていないので副反応もこの程度の数字で収まっているとも言えますが、実際に報告された副反応も皆1週間程度で収まり全て重症には至っておらず、発症するリスクを20分の1に抑えられているということを考えると有効性が高いワクチンと言えるのではないでしょうか。

ここではっきりと言っておきたいのですが私は新型コロナウイルスワクチンの宣伝をしているわけでもなくこのワクチンとは何の関係はないのですが、ワクチンそのものの有効性や副反応をこの結果だけで見ると打つべきなのかなと思います。もし打つ機会があったら私も打つことを積極的に考えています。

ただこれは現時点では4万人という中での検証です。これが何千万人何億人となってくるとまた違った副反応や有効性の結果になることも考えられますし、新型コロナウイルスワクチンに関連する死亡というものもあっておかしくはないと思っています。以前もお話しましたが、報道はかなり偏った情報になり得ますので、1番信頼性のある情報は海外の論文になると思います。

その点も踏まえ今後も海外の信用された論文をチェックすることをお勧めしますが、なかなか個人でチェックすることは難しいと思いますので今後も随時皆さまが気になる論文が発表された場合にはこうしてお届けしていこうと思っております。

現在当院では徹底した新型コロナウイルス感染対策をしながら診療を継続しております。

またオンライン診療も行っております。
全国どこからでもオンライン診療は可能です。泌尿器科、消化器科、内科でお悩みの方は是非上記のリンクか下部のバナーよりご相談下さい。

今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

消化器科(胃カメラ)・泌尿器科・内科・人間ドック
大宮エヴァグリーンクリニック 院長 伊勢呂哲也

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