エクソソーム・ACRS(再⽣医療)による薄⽑、抜け⽑(AGA 治療) の効果について
はじめに
髪の印象は⼈のイメージを⼤きく変えることもあり、誰もがいつまでも若い時のままでいたいと願います。
しかし、年齢とともに髪が薄くなったり、細くなったり、抜け⽑が気になったり、若い時とは違う⾃分の⽑髪に多くの⽅が悩みつつも「年齢のせいだから仕⽅ない」「内服薬は副作⽤があるので怖い」と諦めてしまっているのではないでしょうか。
そこでこの記事では当院でも⾏っている、薬に頼らずに薄⽑や抜け⽑の根本的治療ができる「エクソソーム・ACRS(再⽣医療)の最先端の治療」について紹介させていただきたいと思います。
1 薄⽑・抜け⽑の原因
薄⽑や抜け⽑の原因は多岐に渡ります。加齢やストレス、男性ホルモン、閉経、遺伝、紫外線、偏った⾷事、喫煙、頭⽪の⾎⾏不良や乾燥、睡眠不⾜など様々な原因が複雑に絡み合って起こります。
男性に多いのが、男性ホルモン(ジヒドロテストステロン)を起因としたものです。男性ホルモン(ジヒドロテストステロン)は髪が⽣え変わるサイクルを短くしてしまい、髪が⼗分に育たないまま抜け落ちてしまう原因となってしまいます。
⼀⽅で⼥性は閉経による⼥性ホルモンの減少が原因で髪が細くなり、全体的にボリュームダウンするパターンが多くなっています。
2 従来の薄⽑・抜け⽑治療
現在、スタンダードとなっている薄⽑、抜け⽑治療は主に内服薬や外⽤薬を使⽤したものとなっています。
2-1 男性の薄⽑・抜け⽑治療
プロペシアを代表とする内服薬は男性ホルモンを抑制して抜け⽑の原因であるジヒドロテストステロンの増殖を抑える効果があります。
また、ミノキシジルなどの外⽤薬は⾎管拡張作⽤を持つため、⾎流が改善され、⽑⺟細胞が活性化することで発⽑を促しますので、プロペシアなどの内服薬と併⽤する場合もあります。
これらのデメリットとして肝機能障害、性欲減退、勃起不全、抑うつ状態、頭⽪のかゆみなどの副作⽤の恐れがあるということも理解しておかなければなりません。
2-2 ⼥性の薄⽑・抜け⽑治療
ミノキシジルの内服薬や外⽤薬を使⽤し、体の内側・外側から⾎流を促進して発⽑を促したり、亜鉛やビタミン類などのサプリメントで抜け⽑を予防したりする治療が⼀般的です。
しかし、ミノキシジルはもともと⾼⾎圧の治療薬として開発されたため、内服の場合は副作⽤として⾎圧低下やめまい、動悸などの可能性があります。
男性も⼥性も治療中はその効果を実感する⽅が多いですが、治療をやめるとまた薄⽑や抜け⽑の症状が現れてきてしまい、根本的治療にはならないというのが現状です。
3当院の薄⽑・抜け⽑治療
当院では薄⽑・抜け⽑治療としてエクソソーム(幹細胞培養上清液)やACRS(⾃⼰⾎サイトカインリッチ療法)などの再⽣医療を応⽤した技術を⽤いて、細胞に直接働きかけて⾃然な発⽑を促す根本的治療をご提案しております。
3-1 エクソソームによる薄⽑・抜け⽑治療
エクソソームとは幹細胞を培養したときに放出される物質で、幹細胞培養上清液と呼ばれています。幹細胞は全ての細胞を⽣み出すことができる『おおもと』となる細胞で、筋⾁や⾻、⽪膚、神経などどんな細胞にもなることができるという特徴があります。
そして、幹細胞から放出されたエクソソームはこの幹細胞の情報を持っているため、傷ついた細胞を修復したり、新しい細胞を⽣み出したりする作⽤があることが分かっています。
これを頭⽪に直接注⼊することで、損傷や機能低下した細胞に働きかけて発⽑サイクルを正常に戻したり、⾎管新⽣を促進したりするため、薄⽑や抜け⽑の根本的治療を⾏うことができます。
当院で使⽤するエクソソームは、国際基準であるMISEV2018の世界基準に沿って品質管理が徹底されたものを採⽤しており、1ml中には30億個の⾼濃度エクソソームが含有されております。
3-2 エクソソームの注意点
エクソソームはドナーの既知のウイルス等の感染症がないことを確認し製造されていますが、未知のウイルスや変異型クロイツフェルト・ヤコブ病などのリスクを完全に否定することはできません。このことから⽇⾚を通じた献⾎はできなくなります。(親族など双⽅の同意のもとで⾏う⾎液提供はこの限りではありません。)
なお過去、エクソソームから感染症が伝播したとの報告はございません。
また、悪性腫瘍治療中の⽅や悪性腫瘍と診断され、寛解から5年経過していない⽅には治療を推奨しておりません。
3-3 ACRS(⾃⼰⾎サイトカインリッチ療法)
ACRS(⾃⼰⾎サイトカインリッチ療法)とは、ご⾃⾝の⾎液中の⾎⼩板から抗炎症性サイトカイン(炎症を抑える作⽤を持ちます)と成⻑因⼦だけを取り出し、それを頭⽪に直接注⼊する治療です。個⼈差はありますが、ACRSを作成する過程で、⾎⼩板から放出される抗炎症性サイトカインは約5〜15 倍にまで増加すると⾔われています。
⾎⼩板を増やして治療に⽤いるPRP(多⾎⼩板⾎漿)での薄⽑、抜け⽑療法も有名ではありますが、患者様の⾎⼩板の数がもともと少ない場合には効果が実感しにくいという現状があります。⼀⽅でACRS の場合は⾎⼩板の中の成⻑因⼦やサイトカインそのものを増やすことができるため、PRPより5倍の効果が期待できると言われています。
このACRSを頭⽪に注⼊することで、慢性的に頭⽪や⽑包に起きている炎症を抑え、⾎管と⽑包の再⽣を促進し、⽑髪の成⻑を正常な状態へと回復させます。
さらに成⻑因⼦には、⽑髪を成⻑させる「ケラチン細胞増殖因⼦(KGF)」、ターンオーバーを正常なサイクルにする「上⽪成⻑因⼦(EGF)」など様々な種類があり、これらの成⻑因⼦が⽑包細胞と⾎管に直接作⽤するため薄⽑、抜け⽑の根本的治療に繋がります。
ご⾃⾝の⾎液から作成されたものを使⽤するので、副作⽤の⼼配がほとんどないということも⼤きなメリットのひとつです。
4 エクソソーム・ACRS(再⽣医療)による治療の実際
4-1 エクソソームの場合
臍帯由来のエクソソームを2A使⽤して、頭⽪の気になるところへ⽔光注射で丁寧に注⼊していきます。1回の治療にかかる時間は30分程度です。
4-2 ACRS の場合
ACRSを作成するために12mlの採⾎をします。その⾎液を専⽤のガラス容器に⼊れ、37℃で3時間温めます。体温と同じ温度に置くことで、成⻑因⼦や抗炎症性サイトカインの放出が起こります。
3時間後、ガラス容器を遠⼼分離機にかけて⾎球成分を全て下に落とし、さらにフィルターを通して成⻑因⼦や抗炎症性サイトカインのみを取り出し、それを頭⽪内に注⼊します。
- 当⽇に治療をご希望の場合は午前中に採⾎、午後に治療となります。
治療はエクソソームと同様、⽔光注射で⾏い、1回の治療にかかる時間は30分程度です。 - 作成したACRSは冷凍で3ヶ⽉間保管可能ですので、お時間のない⽅は採⾎の⽇と注⼊の⽇を分けていただいても結構です。
5 ⽔光注射とは
⽔光(すいこう)注射は韓国発症で、⽪膚の表⽪や真⽪に広く浅く均⼀に美容成分などを注⼊する⽅法です。みずみずしいツヤときらめくようなハリと弾⼒がある肌(韓国では⽔光⽪膚と呼びます)を実現できる機械として⽇本では「⽔光注射」と名付けられたと⾔われています。
⽔光注射の機械には注射器に吸ったエクソソームまたはACRSをセットし、細い針が9本ついたニードルを通してスタンプのように表⽪や真⽪に注⼊していきます。⿇酔は⾏いませんが、針は⾮常に細いですので痛みはあまりなく、少しチクッとする程度です。ワンショットごと⼿作業で気になるところに注⼊していきます。ニードルは使い捨てですので、常に清潔なものを使⽤します。
6 注意点
- 細い針で注⼊していきますので、少量ですが出⾎を伴います。これはしっかり頭⽪に注⼊できたという事の現れでもあり、ガーゼで⼀度拭き取ればすぐに治る程度です。
- エクソソームやACRSを⽤いた治療にはほとんど副作⽤がありませんが、ごくまれにアレルギー反応(痒みや発⾚など)が起こることがあります。
- この治療は薄⽑、抜け⽑に対しての効果を期待するものであり、⽑⺟細胞への効果が期待できない状態(⽣えなくなった状態)の改善を期待するものではございません。
7 再⽣医療による発⽑についてのメリット・デメリット
7-1 メリット
- ⾃分の細胞を使⽤するため、副作⽤の⼼配がほとんどない(ACRS)
- 細胞の成分を含まないため、副作⽤の⼼配がほとんどない(エクソソーム)
- 根本的な治療に繋がる
- ⾃然な発⽑効果が得られる
7-2 デメリット
- 治療費が⾼価である
- 効果には個⼈差がある
8 料⾦(1回の治療につき)
エクソソーム(2A) | 77,000円(税込) |
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ACRS | 88,000円(税込) |
ヘアサイクルは髪の⽑1本1本で異なりますので、治療は⽉に1回で5〜10回繰り返すことが標準的です。繰り返すことでより効果が期待できます。
効果は個⼈差があり、もちろん1回で効果を実感する⽅もいらっしゃいます。
*ご予約は現在のところお電話のみとなっております。(048-647-3203)
9 終わりに
⼤宮エヴァグリーンクリニックでは⽑髪再⽣医療の他に、NK細胞療法、エクソソーム点滴、EDに対するエクソーム治療などの再⽣医療を含めた最先端の治療を⾏っております。
再⽣医療は未来の話ではなく、研究段階を超えてすでに臨床で⽤いられており、疾患の根本的治療に繋がる明るい光となっています。
日本泌尿器科学会認定・泌尿器科専門医
名古屋大学出身
年間30000人以上の外来診察を行なう。
YouTubeでわかりやすい病気の解説も行なっている。
再生医療専門クリニックも運営