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尿漏れ・尿失禁

皆さんは尿漏れと聞くとどんな状態をイメージするでしょうか。子供が夜おねしょをする、トイレに行きたいがトイレまで間に合わずに漏れる、くしゃみをして漏れてしまう、などいろんなシチュエーションがあると思います。

このような悩みを抱えている方の多くがその状態を放置しています。

どうせ病院に行っても治らないから、自分は体質的にそうなんだ、と考え尿漏れを抱えながら生活しているのです。

下記に尿漏れの種類とその治療について記したいと思います。

腹圧性尿失禁

腹圧性尿失禁とはくしゃみをした時や歩いている時にお腹に力が入ることで漏れてしまう状態です。お腹の圧力に尿道括約筋が負けてしまい漏れてしまうのです。

出産後の女性に多くみられますが、出産経験のない若い女性にも起こりえます。

腹圧性尿失禁の診断・治療

腹圧性尿失禁の診断には尿検査や超音波検査を行い、感染や腫瘍や尿路結石がないかを確認します。また、膀胱尿道造影検査も手術適応を決める上で大切な検査です。

治療は骨盤底筋体操とクレンブテロール塩酸塩の投与を行います。

場合によっては抗コリン薬を使用することもあります。

切迫性尿失禁

切迫性尿失禁とはトイレに間に合わなくて漏れてしまう状態です。

過活動膀胱に尿意切迫感が加わった状態です。

男性では前立腺肥大症が原因となり、女性では加齢が原因となることが多いです。

切迫性尿失禁の検査・治療

検査は尿検査、採血、超音波検査などで、前立腺肥大の有無、前立腺癌の有無、感染の有無、その他結石や腫瘍が無いかを確認します。

男性は前立腺肥大症に準じた治療を行います。

女性は過活動膀胱に準じた治療を行います。

男性女性ともに抗コリン薬、β3作動薬が有効です。また骨盤底筋体操も有効だと言われています。

溢流性尿失禁

溢流性尿失禁とは、尿が出にくくなり残尿量が増加することで膀胱がパンパンに膨れ上がり、膀胱の圧力が尿道括約筋の力を上回ることで外に漏れてしまう状態です。尿が出ているため排尿をしているように見えるのですが、残尿量が非常に多く腎不全や尿毒症になっている可能性もあります。

男性に多く、前立腺癌前立腺肥大症、尿道狭窄による排尿障害から起こります。

溢流性尿失禁の検査・治療

まずは尿道カテーテルなどで尿路を確保した後に、全身状態を輸液などで改善させます。

排尿障害の原因をさぐり、それに対する治療を行います。

薬物療法で改善することもありますが、多くの場合が外科治療が必要になります。

上記のような尿失禁は適切な検査、治療により必ず改善します。
泌尿器科を受診することは決して恥ずかしいことではありません。
大宮エヴァグリーンクリニックは泌尿器科がメインのクリニックではなく、他に消化器科や内科、人間ドックを標榜しております。
泌尿器科受診の患者様は全体の2、3割で全く目立ちません。
尿失禁でお困りの方は当院医師までご相談ください。

この記事を執筆した人
伊勢呂哲也
伊勢呂哲也

日本泌尿器科学会認定・泌尿器科専門医
名古屋大学出身
年間30000人以上の泌尿器科と消化器科の外来診察を行う
YouTubeでわかりやすい病気の解説も行なっている。

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