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男性更年期障害(やる気が出ない、性欲がない、イライラする)

男性更年期障害とは

最近元気がない、やる気が出ない、ちょっとしたことでイライラする、昔ほど性欲がない気がする、、、こんな症状を自覚したり、家族から指摘されたりすることはありませんでしょうか?

もしかしたらそれは男性更年期障害の症状なのかもしれません。

男性更年期障害は主に40代以降の男性に生じる、加齢による男性ホルモンの減少によっておこる様々な症状です。今まであまり世間的に認知されておりませんでしたが、ここ数年で患者数が増え、男性更年期障害が知られるようになりました。男性更年期障害は、うつ症状、性欲減退、筋力減少、勃起不全、倦怠感などの症状があります。
LOH(late-onset hypogonadism)症候群とも言われます。
女性の更年期障害は世間的に知られておりますが、最近は男性の更年期障害も認知されるようになってきました。
原因は社会的変化のストレス、精神的肉体的疲労、男性ホルモン(テストステロン)の低下などが挙げられてます。
ご自身ではうつ病なのかもと思っていても、男性更年期障害との診断を受けホルモン治療を行うことでうつ症状が改善する方は非常に多くいらっしゃいます。
当院は泌尿器科一般の診断・治療を行っておりますが、多い日で20人以上の方が男性更年期障害の治療に来院されます。その経験と最新の診療ガイドラインからこの記事を書きました。皆さんの理解の助けになると幸いです。

男性更年期障害の診断・治療

男性更年期障害の診断は採血にて男性ホルモンの遊離テストステロン値を測定し、遊離テストステロンの値が低下を認めた場合は男性ホルモンの補充療法を行います。男性ホルモンの値は日内変動(1日の中で値が変化する)があるため、午前中の検査が推奨されております。
当院では2-4週間にに1回の皮下注射による治療、もしくは1日1-2回局所に男性ホルモンのお薬を塗る治療を行なっております。
男性更年期障害には注射治療は保険適応です。塗り薬は保険適応外になります。
また、前立腺癌の可能性がある患者様には男性ホルモンを補充することで癌の成長を助長してしまうため、初回の採血では前立腺癌腫瘍マーカーであるPSA採血を行っております。
 
うつや性欲減退などの症状があり、男性更年期障害と確信していらっしゃって採血をした結果、遊離テストステロンの値が、正常値の場合もございます。
そのような場合はその症状の原因を探り、治療が可能であればその症状に対しての治療を行います。日常診療でよくみられるのは睡眠時無呼吸症候群です。睡眠時無呼吸症候群により寝不足となりうつ症状や倦怠感がみられます。その場合は睡眠時無呼吸症候群の治療をすることで症状は改善します。
 
テストステロンの値が正常範囲内でも本人の症状の程度を考慮した結果、テストステロン補充療法を行う場合もあります。補充を行った結果、自覚症状が良くなれば男性ホルモンが相対的に低下したことによって起きていた症状であったと診断できます。また、例え男性ホルモンの注射を打ったことで一部の症状の改善があったとしても、うつ症状が残っていたり心療内科的に治療が必要な状況がある場合もあります。そのような場合には心療内科受診をお勧めしたり、当院から近くの心療内科をご紹介させて頂く場合もあります。
 

男性更年期障害の重症度をチェックしましょう

チェック項目 なし 軽い 中等度 重い 非常に重い
1. 総合的に調子がよろしくない 1点 2点 3点 4点 5点
2. 関節痛、筋肉痛 1点 2点 3点 4点 5点
3. 発汗 1点 2点 3点 4点 5点
4. 睡眠障害 1点 2点 3点 4点 5点
5. しばしば疲れを感じる 1点 2点 3点 4点 5点
6. いらいらすることがある 1点 2点 3点 4点 5点
7. 神経質になる 1点 2点 3点 4点 5点
8. 不安感がある 1点 2点 3点 4点 5点
9. からだの疲労や行動力の減退 1点 2点 3点 4点 5点
10. 筋力低下 1点 2点 3点 4点 5点
11. 憂鬱な気分になる 1点 2点 3点 4点 5点
12. 「絶頂期は過ぎた」と感じる 1点 2点 3点 4点 5点
13. 力尽きた、どん底にいると感じる 1点 2点 3点 4点 5点
14. ひげの伸びが遅い 1点 2点 3点 4点 5点
15. 性的能力の衰えを感じる 1点 2点 3点 4点 5点
16. 早朝勃起の回数の減少 1点 2点 3点 4点 5点
17. 性欲の低下 1点 2点 3点 4点 5点
合計
結果の見方
  • 26点以下: 正常
  • 27~36点: 軽度
  • 37~49点: 中等度
  • 50点以上: 重度

※軽度〜重度の方は受診をお勧めします。 

男性ホルモン(テストステロン)を高める方法

当院では塗り薬や注射によるテストステロンの補充を行っています。最近では漢方薬も有用であることがわかっています。注射薬は保険適応で2-4週間に1度投与可能です。価格は診察料を除いて400円程度です。
一方、塗り薬(グローミン)は保険適応外の薬となり、1本3600円(2-3週間使用可能)で販売しております。1日2回、クリーム約2㎝分を陰嚢や顎の下に擦り込んで使用します。
効果については、注射薬は投与してから約1週間で症状改善のピークとなります。塗り薬と注射薬を併用して効果を持続させる患者様も多数いらっしゃいます。

テストステロン補充療法の副作用として多血症、肝機能障害、精巣萎縮、薄毛などの症状が現れる事がありますので、定期的に検査をし、医師と相談しながら治療を進めていくことが大切です。

ご自身で日々の生活からテストステロンを高められる方法もあります。

1 十分な睡眠

2 食事(たまねぎ、ニンニク、スイカ、うり等)を摂る

3 適度な運動(筋力トレーニングも効果的です)

4 社会活動(家族や友人と楽しむ時間、習い事) 

先述の通り、当院には男性更年期障害の治療に通われる方が非常に多くいらっしゃいます。皆さん治療を開始すると、初回に受診された時に比べて活気があり生き生きとしているように見えます。当院は基本的に保険診療(男性ホルモンの塗り薬のみ自由診療)ですので高額な診療費になる心配もありません。
もし男性更年期障害の症状(うつ、性欲減退、筋力現象、勃起不全、倦怠感等)でお悩みの方は当院泌尿器科医師までご相談下さい。
 
現在当院では徹底した新型コロナウイルス感染対
をしながら診療を継続しております。
 
またオンライン診療も開始しました。

全国どこからでもオンライン診療は可能です。泌尿器科、消化器科、内科でお悩みの方は是非上記のリンクか下部のバナーよりご相談下さい。

この記事を執筆した人
伊勢呂哲也
伊勢呂哲也

日本泌尿器科学会認定・泌尿器科専門医
名古屋大学出身
年間30000人以上の泌尿器科と消化器科の外来診察を行う
YouTubeでわかりやすい病気の解説も行なっている。

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