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睡眠時無呼吸症候群(SAS)

はじめに

〜こんな症状が続いていませんか〜

 

「しっかり睡眠時間をとったのに疲れが取れない」「家族からいびきが大きいと言われる」「日中に強い眠気がある」

もしかすると、それは睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome)のサインかもしれません。
「ただのいびき」と放置すると高血圧や心筋梗塞、脳卒中などのリスクを高める恐れがあるため、早期発見・早期治療が大切です。

1 睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に10秒以上呼吸が止まる状態(無呼吸)や、浅い呼吸(低呼吸)を繰り返す病気です。
この状態では、睡眠中に体が十分に酸素を取り込めず、脳や心臓に負担がかかります。また、脳が強制的に覚醒状態となり、何度も目が覚めることで深い眠り(ノンレム睡眠)が妨げられ、質の高い睡眠が取れなくなります。
それだけではなく、高血圧や糖尿病、虚血性心疾患などの生活習慣病を発症するリスクが高くなることもわかっています。

睡眠時無呼吸症候群の日本での潜在的患者数は約900万人いると推定されています。

2 睡眠時無呼吸症候群の症状

この病気は自分では気付きにくく、家族や周囲の人に指摘されて「もしかして睡眠時無呼吸かも」とご来院される方が多いです。

◆ 睡眠時

・大きないびき
・呼吸が止まる
・何度も目が覚める
・寝汗をかく

◆ 日中

・強い眠気
・集中力や注意力の低下
・頭痛や倦怠感
・起床時の喉の渇き

3 原因

最も多いのは「閉塞型睡眠時無呼吸症候群」で、これは気道(空気の通り道)が睡眠中にふさがってしまうタイプで、原因としては以下のようなものがあります。

  • 肥満(首まわりの脂肪で気道が狭くなる)

  • 顎が小さい、舌が大きいなどの骨格的特徴

  • 扁桃腺・アデノイドの肥大(特にお子さん)

  • 加齢による筋肉の緩みで舌根が落ちる

  • 飲酒や睡眠薬による筋弛緩作用

まれに脳から呼吸の指令がうまく出ない「中枢型睡眠時無呼吸」もありますが、多くの原因は閉塞型です。

4 診断

当院では、まず問診と簡易検査から始めます。
簡易検査では、自宅で専用の小型装置を装着し、一晩の睡眠中の呼吸状態・酸素濃度などを記録します。

検査結果は「無呼吸低呼吸指数(AHI)」という数値で表され、次のように分類されます。

  • 軽症:5〜15回/時

  • 中等症:15〜30回/時

  • 重症:30回以上/時

この数値が高いほど、睡眠中に呼吸が止まる回数が多く、健康への影響も大きくなります。
診断の基準にはAHIを使いますが、基準値以下でも「眠気が強い」「集中できない」など、生活に支障をきたしている場合には治療の対象になります。

5 日本での治療開始・保険適用基準

日本の保険診療では、睡眠時無呼吸症候群に対する治療の適用基準が定められています。
CPAP(持続陽圧呼吸療法)が保険適用となるのは、AHIが20以上の場合、または AHIが10以上で日中の強い眠気や高血圧などの合併症を伴う場合です。

一方、マウスピースによる治療は、AHIが5〜30の範囲で適応となり、保険での治療が可能です。特に軽症〜中等症の方や、CPAPが合わない方に選択されることが多く、睡眠中に装着して気道を確保することで無呼吸を軽減します。

6 治療

治療は原因や重症度、患者様の希望などを総合的に鑑みて選択します。

6-1 生活習慣の改善

軽症の場合は、次のような対策が有効です。

  • 減量(体重を5〜10%減らすだけでも改善することがあります)

  • 飲酒を控える

  • 仰向けではなく横向きで寝る

  • 睡眠薬を見直す

6-2 CPAP療法(経鼻的持続陽圧呼吸療法)

中等症以上の場合に最も一般的な治療法です。
寝るときに鼻にマスクを装着し、機械から空気を送り続けて気道を広げ、無呼吸を防ぐ方法です。
健康保険が適用され、患者様は在宅で治療を継続して行えます。

★大宮エヴァグリーンクリニックでは、CPAP療法を導入しています★
ご自宅でCPAP療法を続けていただきながら、月に1回受診します。
ご受診時には、機械の使用状況や治療効果の確認をし、生活習慣指導などをさせていただきます。
保険診療でCPAP療法を継続していくためには毎月1回の受診が必要になりますが、当院ではオンライン診療もおこなっておりますので、時間を無駄にせず、導入していただくことが可能です。

6-3マウスピース治療


軽症〜中等症で、特にいびきや軽い無呼吸の方に有効です。
歯科でマウスピースを作製し、下あごを少し前に出す形で装着することで気道の閉塞を防ぎます。

6-4 手術


扁桃肥大や鼻の構造異常が原因の場合、外科的治療が検討されます。

7 終わりに

睡眠時無呼吸症候群は「単なるいびき」ではなく、命に関わる生活習慣病のひとつです。
早期に治療を始めることで、日中の眠気や疲労感が改善し、生活の質も大きく向上します。しかも治療は苦痛を伴うものではなく、鼻にマスクを装着するだけの簡単なものです。

いびきや眠気が気になる方は、ぜひ一度大宮エヴァグリーンクリニックまでご相談ください。
当院では、自宅でできる簡易検査から治療まで幅広くサポートしています。

この記事を執筆した人
伊勢呂哲也
伊勢呂哲也

日本泌尿器科学会認定・泌尿器科専門医
名古屋大学出身
年間30000人以上の泌尿器科と消化器科の外来診察を行う
YouTubeでわかりやすい病気の解説も行なっている。

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