風邪症状(発熱・咳・くしゃみなど)の診察について
◆目次◆
1 インフルエンザウイルス
2 新型コロナウイルス(COVID-19)
3 溶連菌
4 それぞれの費⽤について(3 割負担の場合)
5 終わりに
1 インフルエンザウイルス
インフルエンザウイルスによって引き起こされ、特徴的な症状として下記が挙げられます。
インフルエンザの症状
- 突然の体調不良
- 38 度以上の⾼熱
- 全⾝の倦怠感
- 関節痛や筋⾁痛(体全体が痛むことがある)
- 頭痛
- 悪寒
- 乾いた咳や⿐⽔
インフルエンザウイルスの感染経路
インフルエンザは⾶沫感染や接触感染で広がります。感染者の咳やくしゃみが空気中に広がり、他の⼈がそれを吸い込むことによって感染します。また、感染者が触れたものに触れた⼿で⼝や⽬を触ることでも感染することがあります。
当院のインフルエンザ検査
⿐の粘膜を拭い、検体を採取して抗原検査を⾏います。新型コロナウイルスとの同時検査も可能で、結果が出るまでは15分程度です。
インフルエンザウイルスの治療
陽性の場合、48 時間以内に治療を開始することが望ましいとされています。
治療にはタミフル、リレンザ、イナビルなどの内服薬や吸⼊薬を使⽤します。
2 新型コロナウイルス(COVID-19)
新型コロナウイルスはSARS-CoV-2 というウイルスによって引き起こされる疾患で2020 年に世界的流⾏を起こしました。症状は幅広く、軽症から重症まで様々です。
新型コロナウイルスの症状
- 発熱(⾼熱が出ることが多いが、熱がない場合もある)
- 咳や痰
- 呼吸困難(息苦しさや呼吸が浅く感じることがあり、重症化すると呼吸困難を引き起こす)
- 倦怠感や疲労感
- 嗅覚や味覚の喪失
- 筋⾁痛
- 頭痛
- 喉の痛み、⿐⽔
新型コロナウイルスの感染経路
咳やくしゃみなどの⾶沫感染が主な感染経路ですがエアロゾル(空気中の微細な⾶沫)や接触感染によっても広がります。
当院の新型コロナウイルス検査
当院では抗原検査とPCR検査を⾏なっております。
抗原検査はインフルエンザと同時検査が可能です。
抗原検査 | ウイルスが体内に存在するかどうかを確認するための迅速検査 |
---|---|
PCR検査 | ウイルスの遺伝⼦(RNA)を増幅して検出する感度の⾼い検査 |
どちらも⿐の粘膜を拭い、検体を採取して検査します。抗原検査の検査時間は15分程度、PCR検査は2時間程度となっています。
新型コロナウイルスの治療
抗ウイルス薬であるゾコーバやラゲブリオ、パキロビッドに対しての国の公費負担は2024 年4⽉で終了となったため、これらの薬は3 割負担の⽅でも⾼額(約15,000 円〜29,000 円)となってしまいます。そのため、咳⽌めや解熱鎮痛薬での対症療法を⾏うことが広く⼀般的であり、ほとんどの⽅が対症療法で⼗分な治癒効果を得ることができます。
3 溶連菌
溶連菌感染症はA群β溶⾎性連鎖球菌(細菌)によって引き起こされる病気です。
溶連菌の症状
- 喉の痛み(喉の痛みが強く、飲み込むのが⾟い)
- 発熱
- 扁桃腺の腫れ
- 悪寒
- 苺⾆(⾆が⾚く腫れて、表⾯に⽩い苔が付いている状態が⾒られることがある)
- 発疹(全⾝に⼩さい⾚い発疹が広がることがある)
溶連菌の感染経路
溶連菌は⾶沫感染や接触感染で広がります。咳やくしゃみで感染が広がるほか、
感染者のタオルや⾷器を通じても感染する可能性があります。
溶連菌の検査
喉の粘膜を拭い、検体を採取して抗原検査をします。検査時間は5 分程度です。
溶連菌の治療
陽性の場合には抗⽣物質で治療を⾏います。その他必要に応じ、咳⽌めや解熱剤などで対症療法を⾏います。
4 それぞれの費⽤について(3 割負担の場合)
検査のみ | 検査と薬(薬代別) | |
---|---|---|
コロナ・インフルエンザ抗原 | 約2,200円 | 約2,400円 |
インフルエンザ抗原 | 約1,800円 | 約2,000円 |
コロナPCR | 約4,000円 | 約4,200円 |
溶連菌 | 約1,700円 | 約1,900円 |
5 終わりに
免疫の低下や、寒さや乾燥などの条件が重なるとウイルスや細菌に感染しやすくなってしまいます。ウイルスや細菌に感染しないためには⼈混みでの感染予防対策はもちろん、体調管理や⾷事管理も⼤切です。
それでも感染したかな?というときには⼤切な家族や周りの⼈に感染させないためにも早めに受診するようにしましょう
日本泌尿器科学会認定・泌尿器科専門医
名古屋大学出身
年間30000人以上の泌尿器科と消化器科の外来診察を行う
YouTubeでわかりやすい病気の解説も行なっている。