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ブライダルチェック

ブライダルチェックとは、結婚する際に「妊娠や子育てに向けて、問題となる病気がないかをチェックする健康診断」のことをいいます。
パートナーに感染する病気がないか、妊娠した際に赤ちゃんへ感染する病気がないか、自分が必要な抗体を持っているか、または妊娠や出産に影響する病気や異常がないかなどをチェックします。ブライダルチェックを受けることは、パートナーと共に健康で毎日を過ごすためでもあり、また将来生まれてくる赤ちゃんが健やかに成長するためにも大切な検査ではないでしょうか。
また、当院ではブライダルに関わらず、性感染症が心配という方にもお受けいただくことができます。性感染症は放置すると深刻な合併症を引き起こすことがあるので、自己判断せずにしっかりと検査をして、必要に応じて治療することが大切です。

主なブライダルチェック項目

ブライダルチェックは感染症をはじめとして、主にこれから述べるような項目を検査していきます。(淋菌・クラミジア・マイコプラズマ・ウレアプラズマ・トリコモナス・梅毒・H I V・B型肝炎・C型肝炎・風疹抗体検査・精液検査・ホルモン検査)それぞれの内容をこれから詳しく説明していきます。

1.淋菌

淋菌は性感染症の一つです。感染すると男性は尿道炎、女性は膣炎などを起こします。女性が感染したまま妊娠すると子宮頸管炎などを引き起こす恐れがあり、早産、流産の原因となります。男性は尿検査で、女性は膣から綿棒を入れて粘膜を拭う検査で調べます。陽性の場合、抗生物質の投与で治療します。不妊症の原因の一つとなり得ますのでしっかりと治療することが大切です。

2.クラミジア

クラミジアは性感染症の一つです。感染すると男性は尿道炎や前立腺炎、精巣上体炎などを起こし、女性は膣炎などを起こし、不妊症の原因となる場合があります。女性が感染したまま妊娠すると子宮頸管炎などを引き起こす恐れがあり、早産、流産の原因となります。男性は尿検査で、女性は膣から綿棒を入れて粘膜を拭う検査で調べます。陽性の場合、抗生物質の投与で治療します。
不妊症の原因の一つとなり得ますのでしっかりと治療することが大切です。

3.マイコプラズマ(マイコプラズマジュニタリウム・マイコプラズマホミニスの2種類)

マイコプラズマは性感染症の一つです。感染すると男性は尿道炎・前立腺炎などを起こし、女性は膣炎などを起こします。女性が感染したまま妊娠すると子宮頸管炎などを引き起こす恐れがあり、早産や流産の原因となります。
男性は尿検査で、女性は膣から綿棒を入れて粘膜を拭う検査で調べます。陽性の場合、抗生物質の投与で治療します。不妊症の原因の一つとなり得ますのでしっかりと治療することが大切です。

4.ウレアプラズマ(ウレアプラズマウレアリチカム・ウレアプラズマパルバムの2種類)

ウレアプラズマは性感染症の一つです。ウレアプラズマに感染していても症状が出ないことが多く、気づかずに放置してしまうことがあります。男性が感染すると尿道炎や前立腺炎などを引き起こし、女性は膣炎や子宮頸管炎などを引き起こす可能性があります。男性は尿検査で、女性は膣から綿棒を入れて粘膜を拭う検査で調べます。陽性の場合、抗生物質の投与で治療します。不妊症の原因の一つとなり得ますのでしっかりと治療することが大切です。

5.トリコモナス

トリコモナスは性感染症の一つで、トリコモナス原虫によって引き起こされます。症状が出ないことも多く、気づかずに放置してしまうことがあります。男性が感染すると尿道炎や性器の痒み、女性は膣からの異常分泌物や外陰部の痒みなどが起こることがあります。妊娠中に感染すると早産のリスクや出産時に赤ちゃんに感染させる可能性があります。男性は尿検査で、女性は膣から綿棒を入れて粘膜を拭う検査で調べます。陽性の場合、抗寄生虫薬で治療します。

6.梅毒

梅毒は、近年感染者が急増している感染症です。梅毒トレポネーマという細菌に感染することが原因で、多くは性行為によって感染します。梅毒には1期から4期まであり、徐々に症状が進んでいきますが、現在は確立された治療法がありますので、早期発見・早期治療で完治が可能です。
感染したまま妊娠すると赤ちゃんにも感染する恐れがあり、重篤な合併症を引き起こす場合があります。治療にはペニシリンなどの抗生物質を使用します。

7.HIV

HIVは「ヒト免疫不全ウイルス」で、エイズという病気を引き起こし、免疫機能の低下を引き起こします。感染経路は性行為、血液感染、母子感染などがあります。感染しても初期の段階では症状がなく、自覚がないまま何年も過ぎてしまうことがあり、この間にウイルスが免疫系を攻撃して免疫不全の状態を引き起こしてしまいます。現在のところ、完治の薬はありませんが、抗HIV薬によってウイルスの増殖を抑制し、合併症の発症を遅らせることができます。
感染したまま妊娠すると胎児にも感染する恐れがありますが、母子感染を極力避ける対策を取ることによって、現在では母子感染の確率は0.1%以下になっています。その為にも早期発見・早期治療が非常に大切です。

8.B型肝炎

B型肝炎は肝臓を攻撃するウイルス感染症であり、倦怠感から始まり、黄疸、肝機能障害などを引き起こします。感染経路は性行為、血液感染、母子感染などがあります。B型肝炎に感染している女性が妊娠すると、胎盤を通じて、または出産時に赤ちゃんに感染してしまう確率が非常に高くなります。ですが、妊娠中から適切な対策や治療を取り、生まれた赤ちゃんにも出生直後から適切な治療をすれば母子感染のリスクを減らせることができます。その為にも早期発見・早期治療が非常に大切です。

9.C型肝炎

C型肝炎はB型肝炎と同じく肝臓を攻撃するウイルス感染症であり、倦怠感から始まり、黄疸、肝機能障害などを引き起こします。感染経路は性行為、血液感染、母子感染などがあります。C型肝炎に感染している女性が妊娠しても赤ちゃんに感染する可能性は低いと言われており、万が一感染しても自然治癒する場合もあります。ですが、母親のウイルス量やウイルス活性によっても経過は違いますので定期的な検査が必要です。

10.風疹抗体検査

風疹抗体検査は風疹に対する抗体の有無や量を調べる検査です。妊娠中に風疹に感染すると赤ちゃんに先天性風疹症候群を引き起こす恐れがあります。先天性風疹症候群とは「先天性心疾患」「難聴」「白内障」などが赤ちゃんに現れる事を言います。妊娠前に風疹の抗体がないと分かった場合にはワクチン接種をすることで、赤ちゃんへの感染のリスクを減らせます。また、同居する家族も合わせて検査をすることで、家庭内での感染リスクを減らすこともできます。

11.ホルモン検査

赤ちゃんを授かるために必要なホルモンの値に異常がないかを調べます。男性と女性でそれぞれ検査項目は異なります。
男性の検査項目:LH・FSH・テストステロン
女性の検査項目:LH・FSH・エストラジオール・プロゲステロン
これらは、脳や卵巣、精巣から出るホルモンです。妊娠するため、また妊娠を継続するために体を整えるホルモン値を前もって調べておくことは非常に大切です。

 

12.精液検査

精液検査は男性の生殖能力を評価する為に精液を詳しく調べる検査です。
一般的に精液検査で調べる項目をこれから述べていきます。

pH

精液のpHは通常7.2から8.0の間にあります。
酸性の精液(pHが低い)は精子の運動性や生存率を低下させる可能性があります。これは精巣や副睾丸などの炎症や感染症によって引き起こされることがあります。一方でアルカリ性の精液は(pHが高い)は精子の運動性を向上させます。ですが、非常に高いpH値は前立腺や精巣の異常を示している可能性があります。

濃度

精液濃度は精液中の精子の数を1mlあたりの単位で表します。
正常値は1600万/ml以上とされています。値が低い場合には精巣の機能障害、ホルモンの異常、精管の閉塞、感染などが考えられます。ただし、濃度だけでは判断せず、運動率や形態など、総合的に見て診断します。

正常形態率

精液中の精子のうち、正常な形態を持つ精子の割合を示す指標です。
正常値は4%以上と言われており、精子の形態が異常である場合、受精能力や生存率が低下する可能性があります。原因としては遺伝的要因や精巣の疾患など様々な要因が考えられます。

運動率

運動率は精液中の精子の動きや運動能力などを評価します。
全ての精子のうち、運動している精子の割合を観察し、正常値は42%以上と言われています。運動しているとはいえ、精子がその場に留まっていたり、螺旋状に動いているだけの場合もありますので、自然妊娠を望まれる場合には運動率が55%以上ある事が望ましいと言われています。
運動率の低下の原因には精巣の機能障害、ホルモンの異常、精管の閉塞、感染などが考えられます。

WHO2021年の基準値

下記はWHOでの精液の基準値です。この中で妊娠に重要な影響を及ぼすのは運動率と言われています。

項目 下限基準値
WHO2021年
精液量 1.4ml
精液量 1.4ml
精子濃度 1600万/ml
総精子数 3900万
運動率 42%
前進運動率 30%
生存率 54%
正常形態率 4%

当院のブライダルチェック

当院では上記の1から12までの検査項目をお受けいただくことが可能です。
パートナーとご一緒でもお受けいただくことができますし、お一人でもお受けいただくことができます。男性は精液検査がないセットと精液検査があるセットをお選びいただけます。

 

男性 女性
29800円(税込)
(精液検査なし 1〜11の項目)
29800円(税込)
(1〜11の項目)
39800円(税込)
(精液検査あり 1〜12の項目)
 

検査の流れ

精液検査がある場合

① WEBまたは電話にて予約(電話の場合はブライダルチェック希望とお伝えください。)

精液検査のある方は検査に使用する容器を検査前日までにクリニックに取りに来てください。

4〜7日程度の禁欲期間をとります。(長すぎても、短かすぎてもよくありません。)体調を整えて検査に備えます。

④ 検査当日、来院予約時間の直前に(1時間前〜1時間半前)にご自宅にてマスターベーションで精液を採ってください。採取前は手をきれいに洗い、精液はお渡した容器に全量入れてください。容器にマジックで目立つようにお名前を書いてください。

⑤ 採取後は冷やしたり温めたりせず、人肌程度の温度を保ち、クリニックまでお持ちください。

⑥ コンドームは使用しないでください。

⑦ その他、常備薬や食事や運動の制限はありません。

⑧ 予約の時間にご来院ください。受付を済ませたのち、男性は尿検査がありますので、お手洗いに行かずにお待ちください。

⑨ 検査室で採血検査をします。女性は膣からの拭い検査があります。男性も女性も検査時間は10分〜15分程度です。

⑩ お会計時で終了です。結果は郵送でお送りいたします。

精液検査がない場合

① WEBまたは電話にて予約(電話の場合はブライダルチェック希望とお伝えください。)

① 予約の時間にご来院ください。受付を済ませたのち、男性は尿検査がありますので、お手洗いに行かずにお待ちください。

② 検査室で採血検査をします。女性は膣からの拭い検査があります検査時間は10分〜15分程度です。

③ お会計時で終了です。結果は郵送でお送りいたします。

当日の注意事項

① 検査を受ける前は体調を十分に整えてください。

② 服用中の薬がある方は通常通り飲んでいただいて結構です。

③ 男性は尿検査がありますので、排尿を1時間くらい我慢してご来院ください。

④ 女性は膣からの拭い検査がありますので、脱ぎ着しやすい服装でいらしてください。

⑤ 検査前日、検査当日ともに食事や運動など生活の制限はありません。

終わりに

ブライダルチェックはこれから妊娠や子育てを考えている方には非常に大切な検査となっています。健康な状態で妊娠を迎え、元気な赤ちゃんを出産する為には妊娠前からご自身の健康状態を把握しておくことが大切です。
また、ブライダルの予定がない方も、ご自身の健康状態を把握しておくことは非常に大切です。上記の項目は一般的な健康診断では項目に含まれていません。「ブライダルチェックをどこで受けようか」「性病が心配」という方は泌尿器科専門医がいる当院にご相談ください。

この記事を執筆した人
伊勢呂哲也
伊勢呂哲也

日本泌尿器科学会認定・泌尿器科専門医
名古屋大学出身
年間30000人以上の泌尿器科と消化器科の外来診察を行う
YouTubeでわかりやすい病気の解説も行なっている。

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