梅毒
感染者数が爆発的に増加している梅毒、現在の感染者数は1万人超え!
最悪の場合命を落とすこともある怖い性病、梅毒について詳しく解説していきます。
目次
1.怖い病気、梅毒とは?
2.梅毒の感染経路と潜伏期間
3.梅毒の症状
4.梅毒の検査
5.梅毒の治療
6.再発の可能性もある!?梅毒の治療後
まとめ
1 怖い病気、梅毒とは?
梅毒は梅毒トレポネーマという細菌によって引き起こされる性行為感染症、いわゆる性病の一種です。
江戸時代に遊郭などを中心に大流行し、決定的な治療薬がないために多くの人が命を落としました。その後、抗生物質ペニシリンができたことにより梅毒患者は減っていきました。
そんな昔の性病であった梅毒という言葉を、ここ最近とてもよく聞くようになりました。それは若い世代20代から40代を中心に再び梅毒が流行しているからです。
2000年代には日本全体で500人ほどしか患者数がいなかった梅毒ですが、2021年には7000人、ついに今年1万人を超える患者数になりました。
感染拡大の原因としては、マッチングアプリやSNSの普及、外国人観光客の増加などさまざまな要因で、不特定多数との性交渉の機会が増加していることなどが考えられます。
2 梅毒の感染経路と潜伏期間
感染経路は主に男女間における性行為です。男女の避妊具なしのセックスや、オーラルセックスでも感染します。また、一番多いのが男性同士での性行為とも言われています。
潜伏期間は性行為後3週間程で症状がでてきます。
3 梅毒の症状
梅毒は、1期から4期に段階が分かれており、それぞれ異なった症状が出ます。
梅毒は早期治療が肝心ですので、気になる症状があったらすぐに受診しましょう!
(第1期 感染から3週間後)
1期では、男性も女性も性器の一部に皮膚が抉れたような潰瘍、びらんのようなものができます。見た目がグロテスクで痛々しいですが、痛みはない場合が多いのが特徴です。
一般的には1期で気づいて受診される方が多いです。ところが、この状態は一度自然治癒するため治ったのかと思って放置してしまう人がいます。ところがこれは治癒ではなく、梅毒の菌は着々と体内を蝕んでいるのです。
(第2期 感染から3ヶ月後)
2期は潰瘍が一度自然に治癒した後、3ヶ月してから起こります。大きな特徴は全身に赤い発疹、ボツボツができてきます。
その他には倦怠感や発熱、頭痛、喉の痛み、筋肉痛といった風邪のような症状や、リンパの腫れ、脱毛など色々な症状がでることもあります。
2期も1期と同じように自然に発疹がなくなり、落ち着いたように見えます。しかしこの時に治療をしないと次の段階ではすでに臓器までに影響をしていきます。
(第3期 感染から3年以上)
3期の症状は2期の症状が落ち着いた後3年から10年経った頃に現れます。
骨や全身の臓器にしこりや腫瘍ができ、深刻な症状を引き起こすこともあります。
(第4期 感染から10年程度)
3期を放置して発生する4期は、感染から10年程度経った頃に発症します。4期では死に至るような深刻な神経障害が起こります。
現在では基本的にほとんどの患者さんが1期か2期の段階でペニシリンや抗生剤の治療を行うため、3期や4期まで進行する患者さんはほとんど見られなくなりました。ただし、上記のように梅毒の放置には深刻なリスクがありますので、気になる症状がある方は早めの受診をお勧めいたします。
4 梅毒の検査
梅毒の検査は採血検査が主な方法になります。
梅毒トレポネーマの抗体の量を調べる検査で、治療後にも抗体の量を調べることで、治療の効果が出ているかを見極めることもできます。
5 梅毒の治療
梅毒の治療は飲み薬か筋肉注射によるものが一般的です。
1期の梅毒では、ペニシリン系の抗生物質の飲み薬を1日3回、1ヶ月程度内服します。
または、ペニシリン系の筋肉注射を1回打つことで治療が可能です。
2期以上になると治療の期間は長くなります。
2ヶ月間の抗生物質の内服か、週に一回3週間の筋肉注射かの選択になります。
6 再発の可能性もある!?梅毒の治療後
基本的に梅毒は治る病気で、もしペニシリンにアレルギーがある場合でも代替薬があります。
しかし、梅毒はまれに再発することがあり、薬での治療後も注意が必要です。
そのため、梅毒のアフターケアとしては、治ったからいいやと放置せずに、経過を見ることをお勧めいたします。
治療後も定期的に梅毒の検査を行い、抗体の量を見ることで再発していないことを確認しながら過ごされると良いでしょう。
まとめ
昔の病気だと言われていた梅毒ですが、最近再び激増しています。放置しすぎると最悪死にも至る怖い病気ですので、性器の表面にびらんができるなど疑わしい症状があった場合には、とにかく早めに受診・検査を受けることを強くお勧めいたします。
治療後も定期的に陰性確認をすることが重要です。また、梅毒にかからないためにも不特定多数との性交渉や避妊具を使わない性行為を避けることも大切です。