脂質異常症について
万病のもと!怖い心筋梗塞や脳梗塞にもつながる脂質異常症とは?悪玉、善玉って?
今回の動画では脂質異常症(高コレステロール血症)について、予防法や治療法など解説していきます。
<目次>
1・脂質異常症の具体的な数値
2・悪玉コレステロール(LDL)と善玉コレステロール(HDL)の違いと理想的な比率
3・脂質異常症になりやすい人
4・脂質異常症を放置するとどうなる?
5・脂質異常症の検査について
6・脂質異常症の治療について
まとめ
1・脂質異常症の具体的な数値
脂質異常症として3種類が対象になります
- LDLコレステロール(悪玉コレステロール)
- HDLコレステロール(善玉コレステロール)
- 中性脂肪
それぞれ一定の基準を超えると異常症とされます
- LDLコレステロール(悪玉コレステロール)140mg/dL以上
- HDLコレステロール(善玉コレステロール)40mg/dL以上
- 中性脂肪150mg/dL以上
2・悪玉コレステロール(LDL)と善玉コレステロール(HDL)の違いと理想的な比率
悪玉コレステロール(LDL)は血管の隅々にたまりやすいので、恐ろしいことに血管をどんどん狭めていきます。溜まった部分の血管をふさいでしまうこともあれば、血管の塊が壊れて飛んで行って脳梗塞や心筋梗塞、狭心症を引き起こすこともあります。
一方、善玉コレステロール(HDL)は悪玉コレステロールを回収する役割があります。善玉コレステロール(HDL)が低いと悪玉コレステロール(LDL)を回収できずにどんどん溜まっていきます。
この2つのコレステロールにはバランスが重要なのです。分母を善玉HDL、分子を悪玉LDLの値に当てはめて1.5以上だと要注意です。2〜2.5以上はより危険になってきます。
また、悪玉コレステロール(LDL)が低すぎる場合は甲状腺異常が考えられます。甲状腺機能が低下していることでコレステロールが作られていないとの懸念もあるのですが、善玉コレステロール(HDL)が多い場合には大丈夫だと思います。
3・脂質異常症になりやすい人
脂質異常症になりやすい人の特徴として、脂質の多い食事の摂りすぎが挙げられます。お肉やバターばかりで魚や野菜を食べない食生活は悪玉コレステロールが増えて善玉コレステロールが減ります。またカロリーの摂りすぎは中性脂肪をあげる要因にもなります。
カロリー消費のためにも運動は重要で、適度な運動はコレステロールのバランスを整えます。そのほか喫煙も要因に挙げられるので、生活習慣の見直しは必要です。
「家族性高コレステロール血症」という遺伝的要素の人もいます。食事や運動をきちんとしていても悪玉コレステロールが高くなります。ご両親のどちらかが同じ要素を持っていたり、40代50代で心筋梗塞や脳梗塞を起こしたことがある時はご自身も可能性があるので注意が必要です。
4・脂質異常症を放置するとどうなる?
20代30代で悪玉コレステロールが増えているのを放置しても、直接体に異変を感じないために放置する人も多くいます。ところがこれは危険なことで、悪玉コレステロールは放置していくとじわじわと増えていき、20年後に突然脳梗塞や心筋梗塞で倒れることになるかもしれません。
検診などで脂質異常を指摘された方は食生活をはじめとした生活習慣を見直す、または薬での治療をするなどの対策が大事です。
5・脂質異常症の検査について
脂質異常は基本的に採血検査で全てわかります。悪玉コレステロール(LDL)、善玉コレステロール(HDL)、中性脂肪の値が出ますので定期検診で必ずチェックしましょう。中性脂肪の値は食事に左右されるので、検査当日の朝は食事を控えた方がいいでしょう。
6・脂質異常症の治療について
脂質異常症はまずは食生活、運動など生活改善をしましょう。それでも数値が改善しないときは飲み薬の治療があります。脂質異常は体にはっきりとした症状が出ないことから、まだ大丈夫だと考える人も多く、特に30代以上の方にお薬をすすめると、毎朝一生飲み続けるのかと難色を示す方が多いです。そんな方への安心材料として、アメリカの実験調査があります。アメリカで30歳以上の男性にスタチン(コレステロールを下げる薬)を毎日飲み続けてもらいました。悪玉コレステロールが高いわけではない人にも飲んでもらったところ、心臓病予防に効果があるとわかりました。
お薬を飲むことで10年後、20年後の心臓や脳の病気を防げるなら良いのではないでしょうか、お薬の治療も前向きに考えてみましょう。
まとめ
脂質異常症は心筋梗塞や脳梗塞につながる
悪玉÷善玉が1.5以上は要注意!生活の改善を!
薬の治療で将来のリスクを下げることができる