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新型コロナウィルスは無症状・無症候の人から感染するのか

[2021.01.08]

新型コロナウイルス(covid-19)は無症状・無症候の人から感染するのか

皆さんこんにちは。
2021年4月中旬の時点で3回目の緊急事態宣言がまた発令されようとしています。これからまたさらに夜の外出も控えなければいけないことになると思います。我慢の日々が続きますが日本人一丸となって乗り切っていきましょう。今回のコラムは今後の新型コロナウィルスの感染対策をするにあたって、2020年12月18日にBMJ(ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル)から新しい論文が発表されましたのでそれに関する内容です。この雑誌は非常に権威のある雑誌で信頼性は高いです。

今回の論文は無症状・無症候でも新型コロナウイルスが感染している人から他の人にウイルスが移るのかということについて色々な論文を集めてきた考察です。非常に興味深い内容だったので今回はこのことについて書こうと思います。

一般的には無症状の人からも移ると言われているのですが、実際にそれがどうなのかということを具体的な数値に基づいて書かれた論文です。

>>新型コロナウイルスと変異株についての記事はこちら

>新型コロナウィルスの感染経路(消毒の有効性について)の記事はこちら

 

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◆目次◆

1 新型コロナウイルス感染で無症状・無症候の方とは
2 新型コロナウイルス感染で無症状・無症候の方の割合
3 無症状・無症候の方は本当にずっと無症状なのか
4 無症状の方と有症状の方の感染する力の違い
5 今後注意すべきこと

新型コロナウィルス感染で無症状・無症候の方とは

新型コロナウィルス感染において有症状というのは皆さんもご存知の通り、味覚や嗅覚がなくなる、発熱、咳、倦怠感などそういった症状が一つでもある方は有症状となります。新型コロナウィルス感染において無症状・無症候とはそのような症状が全くない、無自覚の方のことです。

そのような人達はまさか自分が感染しているなんて考えもしないですよね。

新型コロナウイルス感染で無症状・無症候の方の割合

新型コロナウイルスが流行し始めた頃は無症状・無症候の人は感染している方全体の8割くらいいると言われていました。ですが、様々な研究の検証からこの数値は実際に17〜20%であることがわかりました。つまり実際に感染している方の5人に1人・20%以下の方が無症状・無症候だったということです。以前言われていた8割からすると無症状・無症候の方はだいぶ少ないということがわかります。

無症状・無症候の方はほんとにずっと無症状なのか

無症状の感染者と言われて陽性になった方は果たして本当にずっと無症状のままで何も症状が出ないのでしょうか。実はPCR検査無症状の陽性と判明した方の49%の方が何かしらの症状が出る有症状に移行していくことが最新の論文からわかりました。

無症状の方と有症状の方の感染する力の違い

BMJ(ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル)では感染率の違いをとあるグループで比べた時、無症状の患者の感染率は有症状の患者に比べて3倍から25倍低いということがわかりました。ある論文では3倍低いが、とある論文では25倍低いというようにいろいろなデータによって差が出ています。調査の仕方が一定ではないので全く同じにはならないとは思います。これは要するに無症状の人から移るという可能性は低いということです。それだけ有症状と無症状で感染力の違いがあり、有症状の患者からの感染の方が圧倒的に強いということになります。これは12月18日のランセットの論文においても強調されています。ランセットの論文では3.85倍有症状の人の方が感染力があると言われています。BMJの方では3倍から25倍の差があるということが言われていることから、その結果に矛盾しないですよね。つまり有症状の患者が圧倒的に移しやすいということがわかります。

無症状の人が多いからその人たちから移されるのではないかと思い外出を控えている方も多いと思います。ですが、結局のところ無症状の人の割合も感染者の割合の5分の1程度であり、感染力も先述のとおり非常に弱いということから、無症状の人たちを恐れて必要以上に人混みを避ける(人混みを避けるのは大切ですが)というよりも発熱や倦怠感や味覚障害などの有症状の人が出たらとにかくその人に近づかないということの方がずっと大切です。現在東京は1日感染者が2000人を超えておりすごい勢いで広がっております。全国的にもかなりの人数が感染してますが、これは無症状の人が広げているというよりも有症状の人が広げていると考えた方が良いでしょう。

今後注意すべきこと

この論文から言えることは、とりあえず熱、咳、倦怠感、嗅覚味覚障害などの有症状患者とは絶対に濃厚接触をしないということです。濃厚接触とは、感染者と2メートル以内に30分以上一緒に過ごすことと定義されています。繰り返しになりますが無症状の人をいたずらに恐れてビクビクするよりも、有症状の人を警戒することに意識を向けましょう。また、コロラド大学医学部のデビッド博士がマスクの有用性を有名なUCHeathという雑誌で書いています。マスクの着用を100%に近づければ近づくほどこの感染の急増から早く抜け出せるとの内容でした。マスクはそれほど有用であると説いています。当たり前なようですが、マスクをして、人混みを避けて手洗いうがいをしっかりとすることが感染予防につながるということです。今後も日本国民が一致団結して新型コロナウイルスの感染予防に努めていきましょう。

 

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現在当院では徹底した新型コロナウイルス感染対策をしながら診療を継続しております。

またオンライン診療も行っております。
全国どこからでもオンライン診療は可能です。泌尿器科、消化器科、内科でお悩みの方は是非上記のリンクか下部のバナーよりご相談下さい。

今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

消化器科(胃カメラ)・泌尿器科・内科・人間ドック
大宮エヴァグリーンクリニック 院長 伊勢呂哲也

大宮院

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この記事を執筆した人
伊勢呂哲也
伊勢呂哲也

日本泌尿器科学会認定・泌尿器科専門医、消化器内視鏡学会所属
名古屋大学出身
年間30000人以上の外来診察を行なう。
YouTubeでわかりやすい病気の解説も行なっている。
再生医療のクリニックも運営

 

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