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新型コロナウイルスの検査について(抗体検査、PCR検査、抗原検査)

[2020.05.27]

※2020年5月27日7時更新(3-8を追加)

当院で新型コロナウイルス抗体検査を行っています→詳しくはこちら


こんにちは。 ゴールデンウィークも終わりましたが皆さまいかがお過ごしでしょうか。
5月に入って大宮の街並みもさらに人通りが少なく寂しい感じが致します。また去年までの平和で活気のある大宮に戻って欲しいものですね。
さて、今回は新型コロナウイルスの検査について解説していきたいと思います。話題のPCR検査から抗体検査までです。他のウイルスの例も挙げながら説明していきます。
当院でも新型コロナウイルスの抗体検査を5月14日より開始致しました。5月27日現在までで306人の方が検査を受けられました。下記の抗体検査の3-7、3-8に、当院の抗体検査でわかった感染率、東京都やアメリカで行われた大規模に行われた抗体検査の感染率との比較検討を追記させて頂きました。現時点での考察も述べさせて頂きましたので参考にして頂けたら幸いです。

◆目次◆

1 新型コロナウイルスのPCR検査
 1.1 そもそもPCR検査とは
 1.2 新型コロナウイルスのPCR検査はどこで行われているか
 1.3 PCR検査は正確なのか
 1.4 なぜPCR検査を簡単に受けれないか、検査数が増えないのか
 1.5 新型コロナウイルスのPCR検査はどれくらい時間がかかるのか
 1.6 新型コロナウイルスの実際の検査の方法は
 1.7 PCR検査の今後
2 新型コロナウイルスの抗原検査
 2.1 抗原検査とは
 2.2 抗原検査は正確なのか
 2.3 新型コロナウイルスでの抗原検査
3 新型コロナウイルスの抗体検査
 3.1 抗体とは
 3.2 新型コロナウイルス抗体検査の方法
 3.3 新型コロナウイルスの抗体検査が陽性の意義
 3.4 ワクチンとは
 3.5 抗体検査は正確なのか
 3.6 新型コロナウイルス抗体検査の今後の活用の仕方
 3.7-1 当院の新型コロナウイルス抗体検査(IgM.IgG)の結果
 3.7-2 東京の抗体検査との比較
 3.8 何故日本人は新型コロナウイルスの抗体を持っていないのか

当院で新型コロナウイルス抗体検査を行っています→詳しくはこちら

新型コロナウイルスのPCR検査

そもそもPCR検査とは

PCRとは、polymerase chain reaction(ポリメラーゼ連鎖反応)の略語です。ポリメラーゼとは何なのか。ポリメラーゼとはDNAやRNAというウイルスの遺伝子を構成する一部です。
PCR検査は、ある特殊な液体に検体を入れ、ウイルス遺伝子の特徴的な一部分を切り取り連鎖反応で増幅させる検査です。
つまり、患者様から取ってきた検体を特殊な液体につけることで、もしそこに新型コロナウイルスがいれば、その中のある特有の一部分を見つけ、その部分を切り取り増幅させることで、新型コロナウイルスがいるかどうかが判定できる、という検査です。
PCR検査で行われている検査はヒロパピローマウイルス(尖圭コンジローマ、子宮頸癌の原因ウイルス)、クラミジア(性病の一種)、淋菌(性病の一種)などがあります。

新型コロナウイルスのPCR検査はどこで行われているか

埼玉県では保健所で行なっております。現時点ではクリニックや病院を通じてでないと保健所でPCR検査が出来ないことになっております。5月18日から大宮医師会でも診療所を通じて紹介のあった患者様に新型コロナウイルスのPCR検査を始めました。また、公表はされておりませんが一般の病院でも行なっているところはあります。こちらはパニックを防ぐために当院から積極的に紹介はできないことになっております。

PCR検査は正確なのか

新型コロナウイルスのPCR検査の陽性率(感染している人を調べた場合、陽性と出る確率)は70%と言われております。
また、陰性率(感染していない人を調べた場合、陰性と出る確率)は99%ほどと言われております。
つまり、感染していても30%の人は陰性となり見過ごされてまい、感染していなくて1%の人は陽性と誤った診断を下されてしまうのです。
これがPCR検査の限界でそれを知った上で検査に望まなくていけません。

なぜPCR検査を簡単に受けれないか、検査数が増えないのか。

例えば、日本人の人口1億人をPCR検査を調べたとします。
そして感染している人の割合を0.1%と仮定して、10万人としましょう。(5月10日時点で全国で15000人と発表されております。多めに見積もって10万人とします)
すると、1億人の1%である100万人の人が感染していないのに陽性と診断を受けて、場合によっては入院やホテル待機になります。
100万人に対して全国の病床を合わせても13000ベッド程度です。これにホテルの部屋を合わせても到底足りませんよね。
そして10万人の30%である3万人の方が感染しているのに陰性と診断を受けて、街を出歩くことになるのです。
日本国民全員がPCR検査を受けるのはかなり大げさな話ではありますが、その100分の1の100万人が検査を受けたとしても1万人が不要な病院のベッドやホテルの部屋が必要となります。全国のベッドが13000に対してかなり大きな割合を占めしまいますね。
このような理由から、保健所は現時点では検査を絞っているのです。

新型コロナウイルスのPCR検査はどれくらい時間がかかるのか

現時点では1日から数日かかります。ですが、現在研究が進んでおり、数時間で結果が出るPCR検査も開発されてます。

新型コロナウイルスの実際の検査の方法は

インフルエンザの検査と同じく、鼻から綿棒を入れて、鼻咽頭のぬぐい液から検査を行います。唾液から検査できる方法も今後行われることになると思います。検査者の負担がかなり軽減されますね。

PCR検査の今後

検査数が少ないと言われているPCR検査ですが、私の個人の意見としてはこのペースで検査を絞って医師が必要と判断した患者様のみPCR検査を行うということで良いのではないかと考えております。テレビやマスコミでは日本全国民がPCR検査を受けた方が良いという意見もあります。そうなると先述の通り確実に偽陰性や偽陽性の方が大勢出てくるため混乱を招く原因となります。PCR検査は医師によってある程度絞ることが大切だと考えます。
ただ、医師が必要と考えていても保健所側から断わられるケースもあるようで、もう少しスムーズに検査できる体制は整えていけたらなと思います。
大宮でも5月の中旬から医師会がPCR検査を行っております。保健所に加えてより検査数が増えることが期待されます。
必要だと思う患者様に適切な検査を行う体制が出来上がりつつありますね。

新型コロナウイルスの抗原検査

抗原検査とは

みなさま馴染みのあるインフルエンザの簡易検査が抗原検査です。
鼻咽頭から検体を採取し、ウイルスに特有の物質とくっつく物質が入った液体に入れます。数分で結果は出ます。

抗原検査は正確なのか

インフルエンザウイルスの検査はかなりの確率で偽陰性や偽陽性が出ます。つまり、感染していないのに陽性と出たり、感染しているのに陰性と出たりします。新型コロナウイルスでも抗原検査はPCR検査と比べてかなり正確性は劣るようです。

新型コロナウイルスでの抗原検査

アメリカでは本日5月10日より抗原検査を導入することになりました。日本では5月13日より導入を開始しております。

先述した通り、PCR検査よりも正確性は劣ることは間違いなく、PCR検査を補う検査の位置付けということになります。
これは個人的な意見ですが、PCR検査よりも正確性が劣るのであれば陰性と陽性の確証が得られないため、やはりPCR検査を受けないと患者様は安心出来ないのではないかと思います。おそらく抗原検査はそんなに普及することはないのではないでしょうか。

当院で新型コロナウイルス抗体検査を行なっています→詳しくはこちら

新型コロナウイルスの抗体検査

抗体とは

抗体とはウイルスが体内に入ってきた時にウイルスを体内から除去しようと身体が作り出すタンパク質です。ウイルスに結合することでウイルスを排除します。抗原・ウイルスが体内に入ってから数日から数ヶ月して抗体が作られます。
抗体を体内に持つことで、再度同じウイルスが体内に入ってきても抗体がウイルスにくっついて排除してくれます。

他の抗体検査では、C型肝炎ウイルスやHIVの抗体検査は行われております。

新型コロナウイルス抗体検査の方法

細い針を指先に刺し、数滴血を検査キットに垂らします。
数分待てば結果が出て、陰性か陽性かがわかります。

新型コロナウイルスの抗体検査が陽性の意義

抗体検査が陽性だと、以前に新型コロナウイルスにかかったことが証明されます。
また今後、同じ新型コロナウイルスが入ってきても抗体が排除してくれて感染しないとされてます(まだこれに関してはデータが出ていないため期待を込めてそうであって欲しいと願ってます)。軽症でかかった場合と重症になった場合とでは作られる抗体の量が違います。軽症でかかった場合でも生涯抗体が継続してくれれば良いですよね。
アメリカ、ニューヨークでは5月中旬の時点で20%の方が抗体陽性であったとのことです。これは発表されている感染者の数十倍に当たります。 つまり、感染していても気づかない軽症者がたくさんいるということになりますね。

ワクチンとは

抗体を作るために打つ注射がワクチンなのです。身体に害のない範囲で弱毒化した新型コロナウイルスを体内に注入し抗体を産生させます。ワクチンの開発も待ち遠しいですよね。

抗体検査は正確なのか

3月末くらいから日本に輸入されていた中国製の抗体検査キットは陽性率が不正確だとして回収されました。
5月3日にスイスの製薬大手ロシュ社は、新型コロナウイルスにかかった方からの100%抗体陽性が見られた検査キットを開発したと発表しました。正確性はほぼ100%とのことですが、抗体を持っていない人が抗体ありと判定されてしまう確率は検証されていないため、今後の展開に期待しましょう。

新型コロナウイルス抗体検査の今後の活用の仕方

街のクリニック、診療所でもここ数週間で抗体検査ができるようになってきました。先述の通り、当院でも5月14日より新型コロナウイルスの抗体検査を開始しております。

抗体検査を受けて結果が陰性の場合、今後もなるべく人混みを避けて生活していく必要があるでしょう。
抗体検査結果が陽性の場合、二度目はかからないという前提の上では、仕事に出社しやすくなりますし人混みを避ける必要もなくなるでしょう。医療従事者も抗体を持っている方が患者様と接するようにすれば良いのではないかと思われます。
ただ、これから抗体に対しての新たなデータがたくさん発表されると思いますので、慎重な対応が必要になると思われます。
抗体検査が普及し、外に出れる人が増えるようになればまた去年のような日常を取り戻せる日が来るかもしれません。

当院の新型コロナウイルス抗体検査(IgM.IgG)の結果

当院では抗体検査を5月14日から開始し、5月26日までで306人に検査を行いました。

下記に結果を記します。

結果

IgM(-)
IgG(-)

IgM(+)
IgG(-)

IgM(-)
IgG(+)

IgM(+)
IgG(+)

人数

289人

8人

5人

4人

まだ306人の方の結果ですが、94.4%の方が抗体を持っていないという結果になりました。

中には、症状が以前あったのに陽性じゃないんだ、と抗体を持っていないことに落胆されている方もいらっしゃいました。

そして5.6%の方が新型コロナウイルス抗体を持っているという結果になりました。そのほとんどの方が感染して1ヶ月〜2ヶ月以内のIgMのみしか持っていないという結果でしたが、コロナ感染が流行し始めた時期を考えると妥当な結果かと思われます。

東京の抗体検査との比較

東京で4月に行われた抗体検査の陽性率が500人に対して3人で0.6%でした。当院は上記の通り5.6%です。このデータが偽陽性ではなく正しいと仮定した上での考察を述べたいと思います。東京の抗体検査は献血に来た方の血液を検査したということで、当院の検査結果とはベースが違います。当院に抗体検査に来た方は以前新型コロナウイルスにかかったかもしれないという思いがあり受診された方が多いのでしょう。献血はそのような経験とは無関係な方々です。なので陽性率に10倍の開きが出ることは当然の結果と思われます。

ただ、東京は500人、当院は280人なので、もっとより多くの人数で抗体検査をし状況を把握することが大切です。今後も定期的に検査結果を報告していきたいと思います。

何故日本人は新型コロナウイルスの抗体を持っていないのか

アメリカのニューヨークでは20%の方が抗体陽性であったのに対して東京では0.6%と明らかな差があります。当院でも抗体陽性率は5.6%であり検査した方々は明らかに感染したエピソードが以前あったのに、という方が多数いらっしゃいました。

そして、死亡数はアメリカで5万人、日本で700人台であり、人口10万人に対しての死亡率は30倍程の差があります。

日本人が重症化しない原因についての考察の1つにBCGと新型コロナウイルスの関係について以前のコラムで書きました。もしよろしければそちらもご覧下さい。(BCGワクチンはインフルエンザから膀胱癌の予防にまで役立つとされてます)

もしBCGワクチンや日本人が全員接種しているワクチンが重症化を抑えているのだとしたら、次のような仮説が考えられると思います。

  1. 日本人はBCGや何かしらのワクチン、もしくは日本人特有の体質の影響で新型コロナウイルスに感染してもウイルスの大半が除去されてしまう。(最近の研究ではBCGワクチンを投与することで、自然免疫を獲得すると言われております。つまりBCGによって結核菌以外のあらゆる細菌やウイルスに対してもある程度の免疫力がつくということになります。)
  2. 除去されたことで体内に留まるウイルスは少量である。少量なため抗体が作られる程の量に達せず抗体が産生されない。全てのウイルスが除去されないまま症状も軽症な状態で長期間経過する。
  3. 長期間微熱や咳や味覚障害などの症状があってもその後抗体検査すると抗体が検出されない。

もちろん日本人の中には重症化される方もいらっしゃいますので、全ての方に上記のことが当てはまるわけではありません。今後、人種による重症化や抗体の保有率の差について明らかになっていくでしょう。また新たなことが論文などで発表された際にはこちらで紹介していこうと思います。


また今後もなるべくポジティブな話題を皆さまに提供していけたらと思います。我々大宮エヴァグリーンクリニックは泌尿器科消化器科が専門ですので、それらに関する新しいトピックもコラムにて提供しております。

現在当院では徹底した新型コロナウイルス感染対策をしながら診療を継続しております。

またオンライン診療も行っております。
全国どこからでもオンライン診療は可能です。泌尿器科、消化器科、内科でお悩みの方は是非上記のリンクか下部のバナーよりご相談下さい。

今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

消化器科(胃カメラ)・泌尿器科・内科・人間ドック
大宮エヴァグリーンクリニック 院長 伊勢呂哲也

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