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前立腺がん早期発見のために絶対やっておきたいPSA検査!

[2022.12.05]

前立腺がんは2025年には日本の男性がかかるがんの第1位といわれています。
前立腺がん早期発見のために必要不可欠な検査がPSA検査です。今このPSA検査が注目されています。

今回の動画では「前立腺がん検診ガイドライン2018」を参考に詳しく解説していきます。

目次

1. 前立腺がんとPSAの関係
2. PSAとは何なのか
3. なぜ前立腺がんだとPSAの値が高くなってくるのか
4. PSAの値が高くなる原因とは
5. PSA検査について
6. PSA検査を受けた方がいい人
7. PSAが高かったとき
まとめ

1・前立腺がんとPSAの関係

前立腺がんは2025年には日本人の男性のかかるがんの第1位といわれています。
前立腺がんはがんの中でも直接死に至るがんではないとされていますが、命を落とされる方もいらっしゃいます。
もともと欧米人に多かった前立腺がんなのですが、食の欧米化に伴い高脂質の食生活により日本でも増加傾向になりました。
日本人の高齢化や喫煙も前立腺がんの増加の一因になっています。

前立腺がんを発見するのに必要な検査がPSA検査です。定期検診や人間ドックでもPSA検査をする人が増えてきています。

2・PSAとは何なのか

P(Prostate)前立腺 S(Specific)特異的な A(Antigen)抗原

PSAとは前立腺特異抗原の略で前立腺がんを見つけるための腫瘍マーカーです。
抗原というのは前立腺特有のたんぱく質のことです。
PSAそのものががんの何かしらの物質であるということではなく、前立腺の中に含まれるたんぱく質がPSAということです。

3・なぜ前立腺がんだとPSAの値が高くなってくるのか

前立腺のがんが前立腺にできると、がん細胞が増殖していきます。
がん細胞が増殖していく過程で血管新生(けっかんしんせい)という状態が起こります。
血管新生(けっかんしんせい)とは、血管をどんどん新しく伸ばしていくことなのですが、この時に急造された血管は非常に脆いのです。

そのためちょっとした刺激ですぐに破れて出血してしまいます。
その際にPSAが血中に入ってしまって、PSAの濃度が血液中で上がって値が高くなるのです。

4・PSAの値が高くなる原因とは

前立腺の中の血管が壊れるということであれば、前立腺がんでなくても前立腺肥大症や前立腺炎、継続的な前立腺への刺激によってもPSAの値は上がってしまいます。
前立腺肥大症は前立腺が大きくなってしまう病気なのですが(詳しくは別動画で解説しています)前立腺肥大症があると、肥大に伴って血管も太くなってきます。
血管が太くなってくると血管の壁も薄くなってしまうため、その血管が破れて出血することでPSA濃度が高くなります。

前立腺の炎症は何かしらのばい菌、細菌が尿道から侵入し、前立腺の中に入って感染を起こし、前立腺の組織を破壊することで前立腺の血管が破れPSAの濃度が上がることもあります。
継続的、持続的な前立腺への刺激行為もあげられます。
例えば長時間自転車に乗っている方や同性愛者の方で肛門を使用した性行為などによっても一時的にPSAの値が高くなることがあります。
医療行為の一つになりますが尿道カテーテルを入れたり、尿道から膀胱鏡を入れることも前立腺を刺激しPSAの値を上げてしまいます。

このように、PSAの値が上がることは前立腺がんだけではないと言うことを知っておいてください。

5・PSA検査について

PSA検査は一般的な企業健診、定期検診、人間ドックの中には含まれていないことが多いです。
その場合はオプションを追加して検査することになります。
個人的に追加しても企業健診の場合は企業が負担してくれる場合もあります。
市区町村の健診でも負担してくれることもあるので、各自調べてみると良いでしょう。

また、健診の際に排尿障害や頻尿など泌尿器科的な症状がある場合には前立腺肥大症や前立腺がんの有無を保険適用で診察と検診を受けることが可能になります。

6・PSA検査を受けた方がいい人

基本的には50歳以上の方です。
前立腺がんは加齢に伴って増加の傾向にあるため、50歳以上の男性の方はまず一度PSAの値を調べた方がいいと思います。
遺伝的な要素もあるため、お父様やお兄様など血縁者に前立腺がんの方がいる、あるいはいた場合には40歳以上になってからPSAの値を調べた方がいいでしょう。
50歳以下で前立腺がんになる比率は非常に少ないのですが、当てはまる方は40歳以上になったら調べた方が安心だと思います。

7・PSAが高かったとき

PSAの値のカットオフラインつまり陽性と見なされる基準は基本的には4です。
4以下の方に絶対に前立腺がんの方がいないとも言い切れないのですが、基本的には4以上で前立腺がんを疑うことになります。
PSA値が4以上で前立腺がんの疑いがあるとされた場合は、必ず泌尿器科の受診をしましょう。
もう一度PSAの値を図って、偶発的にPSAが高かったのかどうかを調べます。
そして超音波検査をして前立腺肥大症がないかを確認し、尿検査では尿の中にばい菌がないか、出血がないかを調べて前立腺の炎症がないか調べます。

超音波検査で肥大症もなく、炎症もないのにPSAの値が高いままという場合には、MRI検査をします。
MRI検査では前立腺の中を詳細に見ていきます。
詳細にみて前立腺がんの疑いがある場合には大きい病院に紹介させていただいて生検(生検組織診断)をします。生検は針を刺してがんを疑う組織をとって顕微鏡でがんがないかを確認します。
そこでがん細胞が確認されれば前立腺がんという診断になり、その後様々な治療を主治医とともに決めていきます。

まとめ

PSAは前立腺のがんだけでなく前立腺肥大症や前立腺の炎症でも上昇します。
PASは検診や人間ドックのオプション、あるいは市区町村の検診を利用して基本的には50歳を超えたら検査しましょう。
PSAが高いと指摘された場合には必ず泌尿器科を受診しましょう。

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