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膵臓がんの初期症状5選

[2023.10.11]

膵臓は「沈黙の臓器」と⾔われており、症状を出さず、静かに、しかし確実に病気を進⾏させてしまう⾮常に怖い臓器です。

膵臓がんと診断がついた時点で⼿術ができるケースは約 20%程度と⾔われており、10 年⽣存率はわずか 5%となっています。

この数字はあらゆる癌と⽐べても群を抜いて低いものとなっており、元横綱の千代の富⼠や Apple 創業者のスティーブ・ジョブズなど、多くの有名⼈が膵臓がんに勝つことができずに命を落としてしまいました。

膵臓がんは症状が出にくいからこそ、その初期症状に早く気づき、早期に医療機関を受診することが⼤切です。


本⽇は「沈黙の臓器膵臓がん」の初期症状5選について皆様にお話しさせていただこうと思います。

 

そもそも膵臓とは

膵臓は胃の後ろ(みぞおちの後ろ)に位置しており、背中側にあります。胃や腸は腹膜の中にあるのに対し、膵臓や腎臓は腹膜の外にありますので、何か異常があると背中側が痛くなってくるのが特徴です。
膵臓の主な働きは①消化酵素を出して⾷べたものの消化を助ける事②インスリンを分泌して⾎糖の調整をするという重要な役割を担っています。

膵臓がんの初期症状

膵臓がんをできるだけ初期の状態で⾒つけるためには、今からお伝えする5つの症状を⾒逃さないことが⾮常に重要です。
「こんな事で受診していいのかな」「⼤した事ないと⾔われたらどうしよう」と⼼配する必要はありません。
受診した結果、異常がない場合にはご本⼈の安⼼に繋がりますし、万が⼀異常が⾒つかった場合でも早期発⾒、早期治療に繋がります。

その① ⾼⾎糖

膵臓はインスリンの分泌を⾏い、⾎糖を⼀定に保つように調整しています。
もしも膵臓がんがある場合は、インスリンの分泌が正常に⾏われず⾎糖が⾼いままになってしまいます。

「今まで問題なかったのに急に⾎糖が⾼いと⾔われるようになった」という場合は糖尿病を疑う事はもちろんですが、膵臓に何らかの異常がある場合がありますので、注意が必要です。

その② ⻩疸

⻩疸とは⽪膚や⽬が⻩⾊くなる事を⾔い、原因は胆汁(ビリルビン)が⾎液中に蓄積されてしまう事で起こります。ではなぜビリルビンが⾎液中に蓄積されてしまうのでしょうか。
肝臓で作られた胆汁(ビリルビン)は胆管を通り、⼗⼆指腸に⼊って排泄されます。胆汁(ビリルビン)の通り道である胆管は膵臓の中を貫いていますので、膵臓に癌があると胆管を圧迫してしまいます。
その結果、胆汁(ビリルビン)が⼗⼆指腸に流れ込むことができずに、⾎液中に逆流してしまう事で⻩疸が起こってしまうのです。
ビリルビンには⻩⾊の⾊素が含まれていますので、⾎液の流れに乗って全⾝を回り、⽪膚や⽬が⻩⾊くなってしまうという訳です。

ご⾃⾝で⻩疸に気づかれる場合もありますが、普段⼀緒に⽣活をしているご家族に指摘され、⻩疸に気づかれる⽅もいらっしゃいます。
いずれにしても、⻩疸が出る病気で放置して良いものはありませんので、⻩疸に気づかれた場合は早めに医療機関を受診しましょう。

その③ 便が⽩くなる

先述したように、膵臓の腫瘍が胆管を圧迫し、胆汁(ビリルビン)が⼗⼆指腸に流れ込むことができなくなるために便が⽩くなります。
⻩⾊の⾊素を持つビリルビンは便を⻩⾊くしますので、⽩い便が出るという事は胆汁(ビリルビン)が正常に流れてきていないということになります。

その④ 腹痛・背部痛

膵臓は背中側に位置していますが、背部痛だけではなく、腹痛(みぞおちの痛み)として現れることもあります。
腹痛(みぞおちの痛み)や背部痛は胃の症状と思われることも多いですが、膵臓がんの症状としても注意が必要です。
胃の痛みはその他の何らかの症状(ゲップ、胃もたれ、吐き気、胸焼けなど)を伴うことが多く、「⾷事を摂ると痛い」「空腹時に痛い」など 1 ⽇の中でも波があるのが特徴です。
⼀⽅で膵臓がんの場合は「何もしなくてもずっと痛い」「どんな体勢をとっても痛みは変わらない」といった特徴があります。

痛みを我慢したり、これくらいの痛みなら⼤丈夫だろうと⾃⼰判断したりするのは危険ですので、腹痛、背部痛のある⽅は医療機関を受診し、超⾳波検査や胃カメラ検査を受けることをお勧めします。

その⑤ 体重減少

膵臓がんに限らず、体の中に癌があると体重が減ってきます。
癌が進⾏すると倦怠感を出したり、⾷欲を無くしたりする物質が癌細胞から分泌される事で体重減少が起こります。
これは「がん悪液質」といって、進⾏癌で⾼頻度に現れます。
⾷事量を減らしたわけでもなく、ダイエットをしたわけでもないのに、不⾃然な体重減少があるという場合は何らかの病気のサインかも知れません。

膵臓がんの検査

膵臓がんの検査ではまず⾎液検査、腹部超⾳波検査、造影 C T 検査が⼤切になってきます。
これらの検査は痛みを伴わず、ほんの数時間で終わる検査です。
初期症状に気づいた時に医療機関を受診し、数時間を検査のために使うだけで、万が⼀膵臓がんであった場合の⾝体的、精神的ダメージが激減します。

膵臓がんの危険因⼦

膵臓がんは早期発⾒が難しいため、先述したような初期症状の他にリスクファクターについても把握しておくことが⼤切です。
⾎縁者に膵臓がんの⽅がいる、糖尿病、遺伝性疾患、慢性膵炎、喫煙、⼤量飲酒、肥満などは危険因⼦とされています。
⾃らの意思で、危険を回避できるもの(喫煙や飲酒、肥満など)については⾏動を起こしておいた⽅が良い事は⾔うまでもありません。

まとめ

膵臓がんによる⽇本⼈の死亡数は肺がん、胃がん、⼤腸がんに次いで第 4 位となっており、年々増加しています。
膵臓がんは早期発⾒が困難なことや進⾏速度が早いこと、有効な抗癌剤が少ないことなど様々な要因が重なり、⾮常に予後が悪い疾患となっています。
早期発⾒に向けた研究が進んでいますが、未だに研究段階のものが多いのが現状です。
そのためにも早期発⾒が⾮常に⼤切となりますので、今回お伝えした5つの症状に気づかれた⽅はすぐに医療機関を受診し、造影 CT や腹部超⾳波検査を受けましょう。

大宮エヴァグリーンクリニックでは患者様⼀⼈⼀⼈のお悩みや不安に寄り添い、安⼼していただける医療を提供させていただきます。どんな事でも当院医師、スタッフにご相談ください。

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