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院内勉強会 喘息治療

[2019.07.02]

こんにちは。大宮エヴァグリーンクリニック院長の伊勢呂です。ジメジメとした梅雨からなかなか抜けないですね。早くカラッと天気の良い日になって欲しいものです。皆さん来たる夏に向けて熱中症対策は気を付けて下さいね。

さて今日は院内にて喘息の勉強会を開催しました。喘息に対してみなさまが持つイメージはどのようなものでしょうか。咳が止まらない、呼吸音がヒューヒューする、発作が夜に起きやすい、などが喘息のイメージであると思います。

本日の勉強会についての概要を下記に記したいと思います。

喘息について

喘息にも気管支喘息、アスピリン喘息、咳喘息とあります。一般的に喘息というと気管支喘息のことを指します。

気管支喘息は呼吸が苦しくなる病気で、気道に慢性的な炎症があるから起こると言われてます。常に気道に炎症があることで様々な症状を引き起こします。それらの症状は呼吸困難、咳、喘鳴、痰がらみ、などです。喘息があることで、死に至る方も出てきます。もちろんそれは呼吸困難による酸素不足が原因となります。1980年代には6000人を超えていた死亡者数も、2016年には1500人以下にまで減りました。

⇨正直、この事実は聞いて驚きました。研修医の時に救急外来で何十人もの喘息の患者様の対応をしていましたが、死に至ることになるとは想像出来なかったからです。恐らく苦しくなった時に受診されている方は喘息の治療に対する意識がきっと高い方なんだと思います。なので普段から予防的な治療もしっかりされるのではないでしょうか。

 

では、何故死亡者数が減ったのでしょうか。

それは予防的な治療にステロイドが使われるようになったからです。もともとはβ2刺激薬と呼ばれたお薬のみしか使われていませんでしたが、ステロイドの使用量が増えるととともに、死亡者数が減少しており、2つの間には負の相関関係があるようです。

喘息の治療薬

喘息の治療薬には先述の通り、β2刺激薬とステロイドがあります。前者は、気道を一時的に広げるお薬で、後者は気道の炎症を抑える薬です。喘息の病態を気道の炎症だと先程書きましたが、そうなるとどちらの薬が根本的に効くかは自明の理ですよね。

そのような理由でステロイドが認められ、広く使われるようになり、死亡者数の減少につながったのです。

現在ではステロイドとβ2刺激薬の合剤が最も使われてます。

普段はその合剤を使い、喘息の発作が起きた時には気道を広げるβ2刺激薬を使うというのが喘息の治療の基本です。(苦しい時には気道を広げないと呼吸が出来ませんから、β2刺激薬を使います。ステロイドは即効性というよりジワジワと効いて下地を作っていくというイメージです。)

普段からこの合剤を使うことで、患者様の呼吸機能が明らかに改善することも証明されております。喘息患者様の発作が起きやすい朝方にも効果が示されるということが言われてます。

普段外来で診ることの多い咳喘息の患者様も、未治療でいらと気管支喘息に移行することがわかってきました。早い段階で合剤を使用して咳喘息を改善することが重要です(但し、咳喘息に対しては保険適用ではございません。担当する医師の判断で処方することとなります)

 

上記のような内容でした。

咳喘息、気管支喘息ともに当院の外来に多くの患者様が通院されてます。長引く咳、呼吸苦でお悩みの際は当院医師までご相談下さい。

 

消化器科・内科・泌尿器科・健康診断・人間ドック

大宮エヴァグリーンクリニック 院長伊勢呂哲也

 

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