新型コロナウイルスの迅速診断法(核酸増幅法について)

[2020.08.17]

皆さま、こんにちは。
お盆も明けまだ暑い日が続いておりますね。いかがお過ごしでしょうか。新型コロナウィルスの感染にも注意しつつ、熱中症にも気を付けていきましょう。マスクは新型コロナウイルス対策に有効ですが、周りに人がいない状況ではマスクは不要です。熱中症と新型コロナウイルスに関して詳しくはこちらの記事をご覧下さい。

さて今回は新型コロナウィルスの迅速診断法についてです。新型コロナウィルスの検査については以前コラムで書かせていただきました。感染の有無を調べるためのPCR検査は一般のクリニックで行われております。PCR検査は精度は高いですが結果が出るのに2日以上時間がかかります。
迅速診断法とは、その文字の通り素早く診断出来る方法です。日常診療でよく使われているインフルエンザの抗原検査も迅速診断法にあたりますね。明確な定義はありませんが、クリニックや病院でその場で診断出来る、というのが迅速診断法と考えて良いでしょう。
2020年の5月にプレスリリースされ2020年の9月に承認される予定の迅速診断法(核酸増幅法:SATIC法)についてここで書きたいと思います。この度発表された核酸増幅法はSATIC法と呼ばれ、革新的な検査法と言われております。それではどの辺が革新的なのかみていきましょう。

◆目次◆

1 新型コロナウイルスの迅速診断法：核酸増幅法(SATIC法)とは
　1.1 核酸増幅法はどんな原理なのか
　1.2 新型コロナウイルスの迅速診断法：核酸増幅法(SATIC法)の結果の精度は
　1.3 新型コロナウイルスの迅速診断法：核酸増幅法(SATIC法)の結果が出るまでの時間は
　1.4 新型コロナウイルスの迅速診断法：核酸増幅法(SATIC法)の値段は
　1.5 新型コロナウイルスの迅速診断法：核酸増幅法(SATIC法)はいつ頃から導入されるのか
2 新型コロナウイルスの迅速診断法：核酸増幅法(SATIC法)の今後の活用方法

新型コロナウイルスの迅速診断法：核酸増幅法(SATIC法)とは

核酸増幅法はどんな原理なのか

核酸増幅法とはまず、ウイルスの遺伝子の一部を切り取ってそこを増幅させるような仕組みの検査液を作ります。そしてその液に唾液や鼻咽頭拭い液を入れます。もしそこにウイルスがいた場合、その液との反応によって何万倍にも増幅されたウイルスの遺伝子が検出されることになる検査です。PCR検査も核酸増幅法の１つです。
抗原検査は結果が出るのは早いですが、ウイルスのタンパク質を増幅させることなく検出するので、精度が下がってしまいます。(唾液や鼻咽頭液からの検体の中にウイルスが十分量なければ反応しないためです)

新型コロナウイルスの迅速診断法：核酸増幅法(SATIC法)の結果の精度は

現在行われている新型コロナウイルスのPCR検査と感度、特異度共に同等の結果が出ているようです。もし本当に迅速診断で同じ精度が出るのであればPCR検査に代わる検査になるでしょう。

新型コロナウイルスの迅速診断法：核酸増幅法(SATIC法)の結果が出るまでの時間は

現在のクリニックで行われているPCR検査が結果判明するまでに1-2日の時間を要するのに対して、SATIC法だと25分で結果が判明するようです。
これならばクリニックや病院ですぐに結果が出るので家でもやもやした気持ちで待つ必要もないですね。また飛行機に乗る直前にも診断することが出来るので、余計な手間が省けますね。

新型コロナウイルスの迅速診断法：核酸増幅法(SATIC法)の値段は

まだ発表されておりません。恐らくクリニックなどでの価格は1万〜2万円くらいになるのではないかと思います。

新型コロナウイルスの迅速診断法：核酸増幅法(SATIC法)はいつ頃から導入されるのか

2020年の9月に厚生労働省の認可がおりるであろうとのことです。なので本格的に普及し始めるのは10月以降になるのではないでしょうか。

新型コロナウイルスの迅速診断法：核酸増幅法(SATIC法)の今後の活用方法

25分で結果が出て、精度が高い検査であれば今後どんどん使われる範囲は広がっていくでしょう。現在のPCR検査の難点である時間が1-2日かかる、という点をカバーしているのでかなり汎用性はあるのではないかと思われます。
現在使われている新型コロナウイルスの抗原検査も、結果が出るのは早いですがその精度に問題あるために十分に広がっていないのだと思います。
もし本当に精度がPCR検査と同等で25分で結果が出る検査であれば、インフルエンザの検査キットのようにクリニックで簡易的に手軽に使われるようになる日もくると思います。